記事詳細

日本映画界“異端の巨匠”桂千穂さん死去 ロマンポルノから文芸大作まで手掛けた脚本家 (1/2ページ)

 8月13日に90歳で死去した脚本家で映画評論家の桂千穂さん。にっかつロマンポルノからアイドル映画、文芸大作までさまざまな脚本を手掛けてきた日本映画界の異端の巨匠だった。

 桂千穂は女性のようなペンネームだが、本名は島内三秀さん。試写会の受付で新人の宣伝マンに、桂千穂名の試写状を持った桂さんが「本人以外はお断りです」と注意されている姿を何度か目にしたことがある。ベテラン宣伝マンが慌てて謝っていたが、そんな光景も永遠にお目にかかれないかと思うと残念だ。

 桂千穂。それはシナリオコンクールに応募したときに使用したペンネームで、選考委員の中には女性が書いたシナリオと信じて疑わなかった人もいるというのだから、桂さんの作戦勝ちである。

 「脚本家が映画評論をして同業者を批判するなんて」と桂さんの活動に批判的な人がいたが、桂さんは近くに住む故・双葉十三郎氏と親交があり尊敬していた。脚本家の掛札昌裕氏と共著のメディアックスMOOKシリーズは古今東西の名作だけでなく埋もれた佳作も紹介し、映画評論家としての真骨頂をみせた。

 関本郁夫監督は「東映を辞めてテレビ時代劇を撮っていた私を『女帝』(1983年)の監督に推薦してくれたのは内藤誠監督と桂さん。『関本はテレビで終わる監督ではない』と製作者にプッシュしてくれた」という。

関連ニュース