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『半沢直樹』影の主役・香川照之 裏に血の滲むような努力 (3/3ページ)

 現在の二代目市川猿翁と女優・浜木綿子の間に生まれ、演劇界のサラブレッドと言える香川だが、父母の離婚により、梨園からは離れて育った。2002年に放送されたNHK大河『利家とまつ~加賀百万石物語~』の豊臣秀吉役など当たり役もいろいろあったにもかかわらず、40代でゼロから歌舞伎俳優としてのキャリアをスタートさせる--。役者ならずとも想像するだけで震えがきそうな、思い切った決断だったのではないだろうか。

 仲野氏は、「予想どおり初舞台では、稽古のしすぎで初日から声が枯れており、『やはり無理か』と思われたのも事実です」と振り返り、こう続ける。

 「あれから9年。今やどんな演目に出ても、堂々たる演技で劇場を沸かせています。まるで最初から歌舞伎をやっていたかのよう。やはり華がある。勘所を知っている。とはいえ、ここまで来るのにどれほどの努力をされたことか! 彼は一切口にはしません。でも歌舞伎ファンにはわかります。だから愛されるのです」(仲野氏)

 活躍ぶりを鼻にかけない気さくな人柄の裏には、血が滲むような努力があるようだ。

 ●取材・文/原田イチボ(HEW)

NEWSポストセブン

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