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映画「私は金正男を殺してない」 現実が放つ教訓「人を信じるのやめよう」 (1/2ページ)

 2017年2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港の出発ロビーで、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された。10日公開の『わたしは金正男(キム・ジョンナム)を殺してない』は、マレーシア警察に逮捕されたインドネシア人のシティ・アイシャとベトナム人のドアン・ティ・フォンの裁判を描きながら、事件の真相に迫っていく。

 事件は大勢の人々がいる目の前で行われた要人暗殺として、世界中を驚愕(きょうがく)させたが、容疑者が若い女性たちだったので、ショックはさらに大きかった。

 空港ロビーに設置された監視カメラには、2人の女性が男に背後からじゃれつくしぐさで襲いかかり、すぐ立ち去っていく映像が残されていた。監視カメラは、よろけながら歩く男の一部始終をとらえているが、男は確かに金正男氏である。

 このショッキングな映像は記憶に新しいが、逮捕された女性たちがどのような経過で釈放されたか。また真犯人といわれた北朝鮮の工作員の暗殺前後の行動について知っている人は少ない。

 本作で驚くのは、ライアン・ホワイト監督は裁判が始まる前から製作に着手し、彼女たちが死刑を免れるまでをリアルタイムで撮影していたことである。ドキュメンタリーの原点ともいうべき製作側の姿勢が、作品に迫力と熱気をもたらした。

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