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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】空前の「町中華ブーム」 ハイスペックラーメンの反作用、無意味な気づかいがない当たり前への原点回帰 (1/2ページ)

 空前の「町中華ブーム」である。BSの番組やムック本などでも、町中華だけの特集がたくさんあるほどだ。

 しかし、私たちが若かりし頃には、町中華なんてものは、あえてクローズアップされるようなものではなかった。

 味については玉石混交だが、駅前や街道に行けばいくらでもあった。少し乱暴な言い方だが、わざわざテレビ番組などで特集するような存在ではなかったのだ。

 私の地元である、東京の荻窪でラーメン戦争が始まったのは、1980年代初頭。中華料理ではなく、ラーメンに特化した専門店がハイレベルの味を競い合うようになった。そこから今に至るラーメンの国民的ブームには説明の必要もない。

 ブームは終わりを見せることもなく、味、素材、見せ方、何から何まで先鋭化されたハイレベルのラーメンによって、群雄割拠の戦国時代が続いている。

 うちの近所にも常に長い行列ができている店がある。私も物見雄山で並んで食べたが、言うまでもなく、文句の付けどころがないほどの完成度だ。こだわりの食材を使い原価率も高いのだろう。だからラーメン1杯1000円以上も当たり前だ。

 だが、しかしなのである。その手のハイスペックラーメンというのは、次の日に再び訪れようという気にならない。

 理由は味や金額うんぬんではない。行列、緊張感のある店内、意地の悪いローカルルールなど、ただおいしいラーメンを食べるだけなのに、余計なものが付随し過ぎるからだ。昼のラーメンひとつに、毎回そんなエネルギーを使うほどヒマじゃない。

 その弊害ともいえるが、実際にその手のハイスペックラーメンというものは、店も客も互いに果てしない消耗戦となり商売が長続きしない。

 昨今のデータでは、ラーメン屋が開店してから1年以内に閉店する率は全体の40%、3年以内に閉店するのは70%にのぼるらしい。

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