【今週のご推笑・東】三遊亭小円歌「自然体で光る“艶芸”」

2010.03.05


三遊亭小円歌【拡大】

 落語の後の箸休めは色物芸。彩りを添えるのは三遊亭小円歌だ。

 しっとりと、三味線を抱え着物姿で登場。「寄席は男ばかり出ると思ったら大間違いよぉ〜」で始まる小円歌の高座は、軽妙に都々逸など江戸俗曲で客を唸らせ、出囃子ネタや小粋な噺で沸かせ、「奴さん」「かっぽれ」の踊りで締める。小円歌の「これだけの芸者を呼んだら二千いくらじゃ済まないわよ」というフレーズに偽りなしだ。「三味線漫談は、曲を聴かすだけの音曲さんとは違って、三味線とおしゃべりなんですよ」。女流では、日本で…いや、世界で2人(もう1人は玉川スミ)だけだという。

 生粋の江戸っ子で、幼いころから三味線を始め、日本舞踊は6歳で初舞台の芸達者。役者を目指し、大学時代は養成学校に通っていた。講習の講師で来た三遊亭圓歌との出会いが運命を変えた。

 講義が終わり、圓歌が向かう上野・鈴本演芸場と、自宅が同じ方面ということから、タクシーに同乗することになった。「師匠(圓歌)に浅草育ちだとか、芸事の話をしていたら、師匠はピーンときたんですかねえ」。タクシーの中でスカウトされていた。

 三遊亭あす歌を経て、小円歌を襲名して18年。いつも自然体を心がけ高座に挑む。「気張っていると、跳ね返ってくるのよ。お客さまが受け入れてくれないの」。小円歌のキラッと光る“艶芸”の秘密が明かされたときだった。

 14日は、柳家さん喬、柳家権太楼とともに埼玉・浦和の埼玉会館小ホールで開催される「第16回さいたま落語競演会 美女と野獣の三人会」に出演。問い合わせは市民文化センター((電)048・822・2548)。(演芸評論家・高山和久)

 

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