【ピンスポ】(8)シン×クロ

2010.06.22


本公演主演の滝川英治(右)と黒須あゆ美(左)【拡大】

 劇団紹介コーナー「ピンスポ」第8回は、7月3日より上演の第3回公演「密室のゲーム 〜確率捜査官御子柴岳人〜」が、“現在もまだ連載中の人気原作小説が完結を待たずに舞台化!!”、そして“イケメン人気俳優・滝川英治(大正製薬「リポビタンD」CMやミュージカル「テニスの王子様」の手塚役ほか)が主演!!”ということもあって、若い女性層を中心に大きな注目を集めている演劇ユニット「シン×クロ」(http://www.sin-kuro.com/)をご紹介致します。

 旗揚げ公演「心霊探偵八雲 〜いつわりの樹〜」、そして昨年の「心霊探偵八雲 〜魂のささやき〜」が大好評を博したシン×クロ。原作・脚本を担当する小説家・神永学、演出を担当する劇団Attic Theaterの主宰でもある黒川竹春、劇中音楽を担当する人気ロックバンド「quaff」の真貴人、そして新たに脚本担当としてシナリオライターの丸茂周が加わり、結成からわずか3年目ながら、シン×クロはファンでなくても次の展開を期待せずにはいられないような、ますます面白い存在となっていっている! 今の段階から、ぜひチェックしておいてほしい。

 7月3日から11日に計11公演、恵比寿エコー劇場にて「密室のゲーム 〜確率捜査官御子柴岳人〜」の上演を控えたシン×クロの稽古場へ。神永、黒川、真貴人の3人が取材に応じた。

■観に来てくれたお客さんとも作品を通してシンクロしたい!

 日本映画学校の同期であり、卒業制作作品でも組んでいたという神永と黒川。しかし、卒業後はそれぞれ違う道を歩み始めたことや、卒業時がまだ携帯電話が普及してない時代(ポケベル全盛時代)だったこともあり、疎遠になっていたという…。そんな2人が再会したのは3年前の事であった。

 「僕の小説『心霊探偵八雲』を舞台化するという話が出た時に、“そう言えば、黒川が第三舞台に入って演劇をやっていたはずだ”とふと思い出し、早速家に帰ってインターネットで検索したところ引っ掛かりまして(笑)…11年振りに連絡を取り合うことが出来たんです!」(神永)

 「彼から『心霊探偵八雲』の舞台化の話を聞いた瞬間に、《やりたい!》と思いましたね。そして、やるからには原作より面白くするよと返事をしました(笑)」(黒川)

 「そこまで言われたら、“だったら原作より面白くしてもらおうじゃないか”って気になりますよね(笑)。彼のその一言で、僕も本腰入れてやる気になったんです。…で、やるからには、どこよりも面白い舞台を作り上げたい! そこで、敢えて舞台関係者に声を掛けるのではなく、全く違うジャンルの人と組んで、《演劇の枠に縛られない本当のエンターテイメント舞台》に挑戦していくことにしました。劇団名のシン×クロは、その流れからであり、観に来てくれたお客さんとも作品を通してシンクロ(同調)していけたらという想いが込められています」(神永)

■演出上難しかったとしても、こっちのほうが面白いんだったら、それをやるべき

 もちろん、異なるジャンルで活躍する者が集まり、1つの作品を作り上げようとすれば、意見の食い違いは出てくるもの。しかし、それこそがこの劇団の最大の特徴であり、何よりそれだからこそ《面白い》と3人は口を揃える。

 「僕は敢えて小説に近い形で脚本を書いていますね。舞台では無理があるような場面転換、数多いシーン展開、動線を無視した動きも、全然気にせず書きます(笑)。で、面白いものは、例え『演出上難しい』と言われても押し通します。だって、こっちのほうが面白いんだったら、それをやるべきじゃないですか(笑)」(神永)

 「だからすごく困ってるんです。もう、何でこんなの書くのって(笑)。でも、固定概念に固まったままでは面白いものなんて作れないですからね。それに、『舞台の世界では普通こういう場合』なんて話しても全く聞く耳持たないですし(笑)。言い合っている内に“やってやろうじゃないか”って気にさせられちゃうんですよ」(黒川)

 「この前の公演終了後も反省会を兼ねて飲んだんだけど……自分たちが意見を交わしているところは、何も知らない人たちから見ればただの喧嘩ですね(笑)」(真貴人)

 「今回の公演前にも、神永に『何で稽古を1ヶ月もやるの? 3週間でいいじゃん』って言われ…(笑)」(黒川)

 「僕からすれば、初日からみっちり稽古をやれば良いじゃないって思うんですよね。1ヶ月やればいいものが出来るってわけじゃないですし、3週間くらいのほうが気が緩む間もなく本番に入っていけるって」(神永)

 「確かに今、気が緩む間もないです(笑)」(黒川)

 「そんな風にそれぞれの思ったことを本気でぶつけ合うから、壮絶なディスカッションになる(笑)。でも、そうやってこそ新しい物が生まれると思うんですよ、どんな世界でも」(真貴人)

■分かり易過ぎるぐらい分かり易いエンターテイメント作品!

 原作をすでに読んでいるファンは、今回の舞台「密室のゲーム 〜確率捜査官御子柴岳人〜」で、また違った楽しみを見出すことが出来るだろう。

 「この作品、まだ連載中にもかかわらず、『舞台化しよう。シナリオを書いて欲しい』と黒川が依頼してきまして(笑)。なので、原作とは敢えて違う結末にしています。そしてせっかく書き直すならと、全体的にも分かり易過ぎるぐらい分かり易くし、舞台を全く観に行ったことがないという人にも楽しんで頂けるような“エンターテイメント色全開”のものにしました」(神永)

 「“もっともっとたくさんの人が楽しめるエンターテイメント作品に!”ということで、今度は映像を使った演出も試みていこうと考えています。舞台の世界に入って、映像を使うのを何となく『それって、どうなの?』って思ってきたところもあったのですが…まあ、その考え自体が『枠に縛られてる』って指摘されもして(笑)」(黒川)

 「黒川が創る舞台って、《絵》がテンポ良く展開されていく感じの、ある意味テレビ的なところのあるものなんです。だからか、DVDを観てても飽きない。 これってスゴイと思うんです! 特に音楽と合わさった時が一番良い《絵》を創りますね。あ、音楽と言えば、実は今回の脚本、真貴人が作ったテーマ曲の『Alien’s Attack(エイリアンズアタック)』を聴きながら書いたんです。だから、今回の作品には曲の世界観みたいなものも影響していますね。何より主人公・御子柴のキャラクターイメージが膨らみました! 原作をご存知の方にも更に面白い御子柴になっていますよ」(神永)

■稽古のシーンを見ながら、全て《感覚》で作ってます!

 シン×クロの舞台に欠かせないものがもう一つ。音楽だ!

 「うちはまだまだ予算が厳しい状況です。そんな中、本当に嬉しかったのは…真貴人に相談したところ快く自身の曲を貸してくれたんです。それだけでなく、シーンに合わせた曲まで新たに作ってくれて…新曲を作ってくれるというだけでもありがたいのに、彼はそれを2日くらいで仕上げてきてくれる! 何から何まであり得ない(笑)」(神永)

 「僕は楽譜も読めないし楽器も出来ないんで、イメージしたニュアンスを『バーン』とか『スーッ』とかしか言えないのを、全部イメージ通りに仕上げてきてくれるんですよね」(黒川)

 「劇中の音楽って、計算して出来るものじゃないんです。映画なんかもそうですけど、悲しい内容の台詞を言っていても明るい曲を流したり。だから稽古のシーンを見ながら、全て《感覚》で作ってますね! ただ、テーマ曲に関しては曲の方が先なので、ハートを持っていながら、それでいて計算し尽くされた音楽になっています」(真貴人)

■登場人物たちも個性的ですが、キャスティングした役者たちもかなり個性的な人たち!

 最後に本公演に向けての意気込み&コメントをいただいた。

 「御子柴のキャラクターも見所ですが、加えて、現在の警察が抱えている取り調べの可視化や冤罪といった問題も浮き彫りにしつつ、その中で事件に関わる人たちの気持ちの揺れ動きを上手く表現できたらと思っています」(神永)

 「登場人物たちも個性的ですが、キャスティングした役者たちもかなり個性的な人たちが集まっているので、彼らの掛け合いもすごく楽しめるんじゃないでしょうか。そういう部分も含めて、舞台をまだ観たことがないという方もシン×クロの公演から舞台の面白さを知ってもらえたら良いなと思っています」(黒川)

 「作品を文字だけで読んだ時と、実際に役者たちが動いて喋っているのを観た時では全く違う印象を受けたんです。言葉に色が乗ったというか、それが観ていて凄く心地良かった。だから文章だけの世界で皆さんが想像している物とは違うかもしれないけど、それが凄く良いって言って貰える自信が有ります。是非それを劇場で確かめてください!」(真貴人)

★シン×クロ 第3回公演「密室のゲーム 〜確率捜査官御子柴岳人〜」

【日程】7月3日(土)〜11日(日)/計11ステージ 

【会場】恵比寿エコー劇場

【原作】「確率捜査官 御子柴岳人」神永学(野性時代/角川書店刊)

【脚本】神永学、丸茂周

【演出】黒川竹春

【テーマ曲】quaff「Alien’s Attack」

【出演】滝川英治、黒須あゆ美、山崎直樹、ちはる、安井順平、青白木タクヤ、澤原崇、黒岩拓朗、馬場野々香、大津愛理、針金信輔、松田智史

【サイト】http://www.sin-kuro.com/

■取材先劇団募集

『ピンスポ』は取材先劇団・ユニット様を大募集中です。詳細は本コーナーをプロデュースする、コンテンツプロダクション・株式会社ルートデザイン公式サイトまで!

 http://contents-pro.com

■チケットプレゼント

シン×クロ第3回公演「密室のゲーム 〜確率捜査官御子柴岳人〜」の7月6日午後7時〜に2組4様をご招待致します! お申込は演劇ライフ(http://engekilife.com/)のプレゼントコーナーより。

次回(第9回)の掲載は6/29です。お楽しみに!!

 

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