合成麻薬「MDMA」を使用したとして、麻薬及び向精神薬取締法違反(使用)罪に問われた押尾学被告(31)の初公判で、法定内が思わずギョッとする一幕があった。薬物を入手したのは押尾被告か、押尾被告とともにMDMAを摂取して死亡したホステスの田中香織さん(当時30)だったかが争われた場面で、検察側から「陰茎」という衝撃的なフレーズが飛び出したのだ。
問題の発言があったのは公判の終盤。検察側からの被告人質問で飛び出した。押尾被告に「違法薬物への親和性」と「不可解な供述」を厳しく追及していくなか、押尾被告が田中さんに送ったとされるメールに言及。「(メールでいう)それというのは陰茎のことか」と押尾被告に投げかけたのだ。
さらに論告求刑では、「(押尾被告は)陰茎がいるか、セックスしないかという意味だったとしているが…」と声を張り上げた。
一体どうしてこんな発言が飛び出したのか?
この裁判では、押尾被告が逮捕容疑を大筋で認めたため、争点は事件の“主犯”は誰か−。つまり、薬物を入手してすすめたのはどちらだったのか、という点に絞られた。弁護側は「一緒にいた女性から譲り受けたもので、押尾被告が入手したものではない」と主張。「押尾被告が女性にすすめた」とする検察の主張を徹底的に否定した。
そこで検察側が押尾被告“主犯”説を裏付ける動かぬ証拠として持ち出したのが、事件発生前に田中さんに送った「来たらすぐいる」と書かれたメールだった。
検察はこれを「『MDMAがいる』との意味だった」と指摘。対する弁護側は「『体がいる』との意味だった」、つまり《セックスする》の意味だったと主張したのだ。
検察は弁護側主張を「不可解な供述」と指弾。その矛盾点を指摘するなかで出てきたのが冒頭の「陰茎」発言だった。
身も蓋もない表現だけにインパクトは十分。裁判の争点が明確になり、検察側があえて持ち出した「陰茎」の一言が、あくまでも田中さんとの肉体関係を否定する押尾被告の供述の不可解さを浮き彫りにさせた。
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