【今週のご推笑・東】三遊亭歌橘「民謡で鍛えたノド、歯切れのよさ魅力」

2009.12.25


三遊亭歌橘(撮影・丸山修一)【拡大】

 「落語界のカッキー」をご存知? 昨年、真打ちに昇進した三遊亭歌橘のことだ。

 「カキツ(歌橘)って読めない人も多くて言いにくいでしょ。覚えてもらいたくてね」と人なつっこい笑顔で話す。

 小学3年の夏。歌橘少年は祖父と祖母に手を引かれ上野の鈴本演芸場に足を運ぶと、そこに運命的な出会いがあった。

 「師匠(三遊亭圓歌)の落語、中沢家の人々で客席は大爆笑。その時、訳が分からない私は、口の悪いおじさんと思ってましてねぇ」

 中学2年の時、近くの公民館で圓歌と運命的な再会を果たす。「この時は素直に笑えてね。興奮して眠れないくらい。ひょっとしたら落語家になりたいのかなってね」

 高校に入ると圓歌の門を叩き、卒業とともに正式入門、三遊亭歌いちを名乗る。4年後の1999年に二ツ目。三遊亭あし歌と改名した。「仕事がない時代でね。武蔵川部屋の和歌乃山(現・山分親方)関の付け人をやってました。重宝がられて…。朝昼晩のちゃんこ鍋で体重は増え、酒も強くなりましたよ」

 歯切れのいい口跡が持ち味の歌橘、勉強は怠らない。定期的に兄弟子の三遊亭歌之介と「ネタおろしの会」(東京・神保町「らくごカフェ」)を開催。次回は来年2月26日の予定だ。5月には1カ月の米国公演も控える。日系一世の老人からの「ナマの落語が観たい」とのメールがきっかけで始まり、今回が2度目だという。

 歌橘自身をなぞかけで解いてもらった。

 「三遊亭歌橘とかけて ダイヤモンドの原石と解く その心は 磨けば光るでしょう」

 精進を続ける歌橘。いつかは名人という輝きを放つに違いない。

 (演芸評論家・高山和久)

 

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