超個性派俳優、ついに連ドラ初主演「カツラ被ることに…」

2010.04.09


生瀬勝久【拡大】

 シリアスからコメディーまで変幻自在に様々な役柄をこなし、引っ張りだこの個性派俳優、生瀬勝久(49)。NHK大河ドラマ「龍馬伝」でも、幕末の志士たちを育てた吉田松陰を熱演するなど、ヒット作には欠かせない存在だ。役作りの秘密に迫った。

 学園ドラマ「ごくせん」ではリーゼントヘアーの嫌みな教頭のイメージが強烈だったが、同じ先生でも、ちょんまげ頭で松陰を演じると、熱血教師に。切り替えのあまりの鮮やかさに、頭の中がどうなっているのか見たくなるほどだ。

 「ただ単純に、お芝居が好きなんです。いろんなキャラになるのが楽しくて仕方ない。アプローチにしても、そんなに作り込まないほうだと思う。自分のイメージでしか作れないし。動いて声を出してみて、だんだんと役が出来上がっていくんです」

 NHKのコント番組「サラリーマンNEO」もそうだが、演じるのは濃いキャラが多い。

 「小劇団出身だからかな。輪郭がハッキリした役は好きです。小劇団は、舞台で役者同士が競争する世界。1ポイントでどう印象に残るか。目立ってナンボですから」

 劇団時代の芸名、槍魔栗三助(やりまくり・さんすけ)としてテレビに進出した約20年前のドラマ「新・部長刑事 アーバンポリス24」で、ハイテクに強いあか抜けた刑事を演じたこともある。「倉田小太郎って役だったんだけど、どっちが芸名で役名なのか紛らわしかった」と振り返る。

 人気ドラマ「TRICK」シリーズで演じる矢部謙三は全く違うタイプの刑事だ。手柄は独り占めし、失敗の責任は部下に押しつけようとする自分勝手な性格。誰が見てもわかるカツラをばれないか気にする姿が笑いを誘うが、カツラを被るキャラが生まれた背景には、こんな事情があった。

 「撮影が舞台の時期と重なって、途中で髪形を変えなきゃいけなくなった。衣装合わせで『なにかいい手はないか』と、カツラを被ることにしたら、これを逆手にとれば面白いということになったんです」

 9日には、謙三が主役で難事件に挑むスピンオフドラマ「警部補 矢部謙三」(テレビ朝日系、金曜午後11時15分)が始まる。連ドラ主演は意外にも初めて。

 「野球でいうなら、1回も投げきってないのに、先発で完投を要求されるようなもの。僕なんて適材じゃない。クタクタです。作品をラーメン店でたとえるなら、背脂たっぷりの濃い味で床がぬれているような店だから」と苦笑する。

 重責については、ドラマの主人公・謙三さながらに、「ヒットすれば僕のおかげ。そうならなければ、悪いのはプロデューサー、演出家、脚本家…。あ、脚本は面白いから責任はないかな。いずれにしろ、僕を主役に起用するなんて冒険ですよ」。

 さらなる冒険に期待したい。(宇野貴文)

■なませ・かつひさ 1960年10月13日、兵庫県西宮市生まれ。同志社大卒。「劇団そとばこまち」で4代目座長をつとめ、テレビ、映画に進出。「警部補 矢部謙三」では、池田鉄洋、貫地谷しほりらが共演。「サラリーマンNEO Season5」(NHK総合、木曜午後10時55分)もスタート。映画「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」(堤幸彦監督)が5月8日公開。

 

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