女子心も揺さぶる“ザ・男映画”

★「義兄弟 SECRET REUNION」

2010.10.29


「義兄弟 SECRET REUNION」【拡大】

 女性が熱狂するメロドラマも得意なら、“ザ・男映画”も得意な韓国映画。「義兄弟 SECRET REUNION」は、まさに後者。男臭さを極めた「映画は映画だ」でデビューしたチャン・フン監督が、2大スターを敵・味方に据え、生身の男の感情をあぶりだす。

 韓国国家情報院のハンギュ(ソン・ガンホ)は、ソウル中心部で起きた銃撃戦で、北朝鮮の工作員を取り逃がす。一方、北の工作員ジウォン(カン・ドンウォン)は、裏切者の暗殺に成功し命からがら脱出するが、国に見放される。6年後、クビになって探偵をしているハンギュは、ひとり長い潜伏生活を続けているジウォンに偶然再会する。

 国家に見捨てられた者同士。西欧のスパイ映画は華麗な活躍を描くものが多いが、韓国は「シュリ」にしろ「シルミド」にしろ、地味でリアルで、そして哀しい。そこがいい。この作品でも、ハンギュとジウォンが、ある思惑から素性を隠して生活を共にし、奇妙な絆を育んでいくのだが、常に哀しみと背中あわせ。2人の絆が深まれば深まるほど、いつそれが壊れる事態が起こるのかハラハラも膨らむ。

 そこに“どっこいそれでも生きていく”人間臭いユーモアが絡むのも妙味。そして当然、再び命や信条を賭けねばならない事件が起きる。

 北と南という背景はあるが、社会派というより完全にエンターテインメントに徹したのが気持ち良い。男臭くとも、8頭身美男ドンウォンの、哀しみをたたえた表情が、女子心も揺さぶるの!

 30日から東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋などで全国公開。 (折田千鶴子)

 

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