もろ肌脱ぎ&スッピン顔披露…平淑恵が妖艶芝居で全国行脚

★大人のエンタメ!

2011.02.09


平淑恵の1人芝居 こまつ座「化粧」【拡大】

 文学座の清純派女優、平淑恵(56)の妖艶演技だ。スッピン顔にもろ肌脱ぎ、胸元ちらっとまでさらしを巻いた楽屋着姿を大胆に披露する一人芝居に燃えている。

 昨春急逝した井上ひさしさん初の一人芝居「化粧」。平の役は落ち目の大衆演劇の女座長・五月洋子。芝居の世界で「化粧前」と呼ばれる鏡台が客席前にある設定だ。平は、お客さんという鏡に向かって、素顔におしろいをペタペタ塗ったり、眉筆をとりながら口をへの字に曲げて墨を引いたり。

 その間、膨大なセリフをしゃべりっぱなし。付き人にあれこれ指示をする。これから幕を開ける「伊三郎別れ旅」の共演者、老女形にダメを出す。一人芝居だから、いるつもりの会話だ。旅廻り役者の悲哀もほとばしる。好色なひいき筋との付き合い、楽屋で産み落とし、孤児院へ預けた息子の話…。

 渡辺美佐子(78)がこれまで600回以上演じていた当たり役を平が引き継いだ。1月上旬に東京・新宿の紀伊国屋ホールからスタートして4月末まで全国を巡る。今ごろは、東北各地をまわっているだろう。こまつ座の井上追悼公演である。⇒【渡辺美佐子「最後の舞台見てほしかった…」】

 自らが孤児院に預けられた経験を持つ井上の母への思い、重く真摯な人間の絆の物語が、ほろ苦いユーモアの中で描かれてゆく。渡辺は猥雑と哀切な人生の染みを牛のよだれのように見せたが、平は底に潜む品と美貌をなげやりに歪曲させた。体臭にまではまだ到達していないが、かえって羊の儚(はかな)さが、中原中也の詩にある「汚れっちまった悲しみ」を表出して、今後の楽しみを残した。

 演出も木村光一から文学座の鵜山仁に替わり、この新コンビの代表作になるだろう。平は、綺麗を捨てた時、いつもイイ役者になる。 (桃風)

 

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