“リバーシブル・カバー”ってナニ? 恵莉花が確立

★大人のエンタメ

2011.05.11


「BeWithYou〜空も飛べるはず〜」【拡大】

 ここ数年の“カバーブーム”で、数多くのカバー曲が作られているが、こんなにすごいカバー曲は聴いたことがない。それが恵莉花(えりか)の「Be With You〜空も飛べるはず〜」だ。

 「空も飛べるはず」はスピッツの代表曲のひとつだ。それを彼女が歌っているという意味では、間違いなく“カバー曲”といえる。だが、オリジナル曲でもあるのだ。

 カバー曲なのになんでオリジナル曲なのか、と突っ込まれそうだが、彼女の歌う「空も飛べるはず」はスピッツのオリジナルとメロディーこそ同じだが、詞はまったく違っていて、詞は彼女のオリジナルなのである。

 歌詞は原詞とはまったく異なっていて、スピッツの「空も飛べるはず」のラスト・フレーズは「ずっとそばで笑っていてほしい」だが、彼女のフレーズは「forever I’ll be with you(永遠に共にいてほしい)」になっている。つまり、女性の立場でより強い想いを表現しているのだ。

 カバーであるにもかかわらず、「自分が歌うからには自分の想いを自分の言葉で伝えたい」という彼女のポリシーが、おそらく自分で詞を書くというチャレンジをさせたのだろう。そんなことを考えると、この曲はスピッツのカバー曲であると同時に、恵莉花のオリジナル曲でもあるのだ。

 カバー曲であり、裏返してみればオリジナル曲でもある「Be With You〜空も飛べるはず〜」を“リバーシブル・カバー”と私は命名したい。こんなにすごいアイデア、そうざらにあるものではない。

 もちろんアイデアだけでは成立しない。忘れてはならないことは、彼女が素晴らしいボーカリストだということだ。実力派ボーカリストというベースがあればこそ、“リバーシブル・カバー”というまったく新しい発想の世界を確立することができたのである。

 いずれにしても、カバー曲でありながらオリジナル曲でもある恵莉花の“リバーシブル・カバー”の誕生に拍手を送りたい。(音楽評論家 富澤一誠)

 

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