秋本氏と二人三脚…集英社“こち亀”新社長の評判

2011.08.11


郷里の富士河口湖町で講演した集英社次期社長の堀内丸恵氏(富士河口湖町生涯学習館提供)【拡大】

 大手出版社「集英社」(東京)の新社長に堀内丸恵専務(59)の昇格が内定した。堀内氏は秋本治氏の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の初代編集者。担当期間は10年に及び、秋本氏と二人三脚で同作を人気作品へと育て上げたことで知られる。

 1993年に出版された「こち亀」の大全集「カメダス」では、秋本氏と歴代編集者の座談会が組まれた。そのなかで秋本氏は初代の堀内氏についてこう語っている。

 「もしかすると、最初の担当が堀内さんじゃなかったら、挫折していたかもしれませんね。公私ともにお世話になりまして、その分マンガの方に全力を注げました」

 気性の激しいタイプが多い編集畑で、堀内氏は「珍しく温厚な人柄。生真面目な秋本先生を上手にノセて信頼関係を築いていった」(出版関係者)。秋本氏が「編集の人って、こんな人あたりのいい人ばっかりなのかな」と拍子抜けするほど穏やかな性格だったという。

 堀内氏は山梨県富士河口湖町出身。成蹊大卒業後の75年、集英社に入社した。「週刊少年ジャンプ」に所属し、「こち亀」のほか、小林よしのり氏の漫画「東大一直線」の初代編集者でもあった。

 「こち亀」は「ジャンプ」が企画していた「ヤングジャンプ賞」の応募作品で、同賞を受賞したことから連載が始まった。秋本氏は賞金5万円をあてにしてラジカセの購入を予約。ところが賞金の支払いより品物が先に届いたため、代金約4万8000円は堀内氏が立て替えた。また、「こち亀」には堀内氏をモチーフにした「堀口」というマンガ雑誌編集者がたびたび登場していた。

 堀内氏はその後、「ジャンプ」副編集長などを歴任し、10年、専務に。郷土愛が強く、2007年には郷里の生涯学習館に「こち亀」全巻を寄贈。昨年、同館が企画した講演会では「こち亀」の誕生秘話などを披露していた。

 講演では秋本氏の仕事ぶりを「謙虚でとにかく一生懸命。一流と呼ばれる人に共通している」と絶賛した。集英社の社内では、「その点は堀内さんも同じ」と評されているという。

 

注目情報(PR)