K−POP“ブーム”と“反発”に想う

2011.09.02


美形揃いのT−ara【拡大】

 良きにつけ悪しきにつけ、何かと話題になる韓流。次から次へと波が押し寄せていた韓流、相変わらず人気は高いのだが、そこに影が忍び寄って来た感がある。

 これまで、大都市でしかコンサートを行わなかったK−POP勢が、真夏の新潟で『K−POP All star Live in Niigata』(8月20日)を開催した。

 収益金の一部を東日本大地震の支援金に寄付したり、被災者を無料で招待するなど、日本を応援するという側面も見せた。

 少女時代、KARA、2PM、Beast、CNブルー、シークレット、2AM、シスターなど韓国のトップアイドルたちが集結した会場は、新潟ビッグスワンスタジアム。

 悪天候にも関わらず、4万5000人の観客を集め、韓流の歌とダンスに熱狂した。

 ダンサーを志す若者が、レッスン、武者修行に海外に出るとき、これまでは多くがアメリカに向かったが、今や韓国にダンス留学する時代。

 韓流ブームで、留学も流れが変わり始めてきた。

 芸能界はそもそも濁流である。勢いのついた韓流も決して清いだけの水ではない。韓流現象の勢いを面白くなく思っている人たちが少なからずいる。

 その流れがコンサートを中継したテレビ局への抗議行動になった。

 さらには、チャン・グンソクの来日時の出迎えのファンが、実はファンではなく集められたバイト要員だったことや、チャン・グンソクのツイッターの、5万人を越えているフォロワーに違和感があったり、彼が出演した番組で取った「チャン・グンソクは好きですか?」というアンケートに対して「チャン・グンソクに興味がない」と3072人中2234人が回答したことに、「ちぇ…僕はすねてる」とツイートし、ネットの声を重視する韓国芸能界らしい反応を見せたりと、どこか作為的な匂いのする人気に対しても、異を唱え始めた。

 それでもK−POP界から見ると、日本はまだまだ魅力的なマーケットのようで、日本デビューを狙う韓国の売れっ子たちは多い。

 韓国で“ねこダンス”で大ブレークしたT−araも、9月に日本デビューが決定。総合格闘家で吉田道場を主宰する吉田秀彦の所属事務所に所属が決まった。格闘家が多く所属し“美人すぎる市議”で有名な八戸市議の藤川優里もいる、芸能色の濃くない事務所に決まったということは、韓流に参戦する人たちの幅が広がってきたということでもある。

 そんな流れも、韓流重視に異議を唱える人たちには、さらに面白くないのだろう、ことさら韓流を排斥しようとしているように見える。

 政治的意図はないと言うが、にわかには信じがたくなっているのも、一部があまりにもエキサイトしているからに他ならない。排斥運動をするよりも、日本のアイドル市場を強化するべきだとみる。

 日本の芸能界は成熟しているように見えて、まだまだ幼稚。が、芸能界自体が潰れるわけがないという認識を持っているためか、幼稚さに蓋をして進もうとしている感がある。

 韓国は旬を売り物にして、実践を積むことで同時に実力を蓄えている。

 この状態が続けばどうなるかは明白。

 これを機に、日本のアイドルたちも、歌やダンス、演技、表現力に努力を重ね、学芸会から本物の芸へと進化させてほしいものだ。

 ■酒井政利(さかい・まさとし) 和歌山県生まれ。立教大学卒業後、日本コロムビアを経てCBS・ソニーレコード(現、ソニー・ミュージックエンタテインメント)へ。プロデューサー生活50年で、ジャニーズ系・南沙織・郷ひろみ・山口百恵・キャンディーズ・矢沢永吉ら300人余をプロデュースし、売上累計約3500億円。「愛と死をみつめて」、「魅せられて」で2度の日本レコード大賞を受賞した。2005年度、音楽業界初の文化庁長官表彰受賞。

 

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