歌手・市川由紀乃、苦難のり越えオリコン快走中!

2011.12.07


一時マイクを置いたが、目標のために歌い続ける【拡大】

 10月5日にリリースした「桟橋時雨」(キング)が発売以来、オリコン週間チャート「演歌・歌謡曲部門」で2カ月にわたりベストテンをキープ。従来のファンによる“ご祝儀買い”の時期はとっくに過ぎており、新たなファンを獲得したと話題になっている。

 「昨年発売した『海峡の夜が明けて』と、先日、第44回日本作詩大賞に入賞した『女の潮路』に続き、港をモチーフにした悲恋曲です。私の曲は、好きになった方を一途に追いかけ、耐えて尽くして、そして忍んで…、という歌詞が多いんです。え、私ですか? もちろん一途で尽くすタイプですよ」

 取材したのは、さいたま市の大宮ソニックシティ大ホールの控え室。当日は、「千昌夫・新沼謙治ジョイントコンサート『がんばろう 日本!』」にゲスト歌手として出演し、全2505席の客席を埋め尽くした観客の前で4曲を歌った。

 「やはり、何千人も入る大ホールで歌うのは気持ちがいい。拍手がザザーっと押し寄せてくるんです。もちろん、小さなホールでしたらお客様一人一人のお顔を拝見しながら歌えますから、そっちはそっちで歌い甲斐があります。歌手生活は足かけ18年になりますが、続けてきて本当に良かったですね」

 デビューは17歳。まだ高校生だった。

 「歌を取るか、学業を取るか? と所属事務所の社長に問われ、歌を取って高校は中退しました。二兎を追えるほど、この世界は甘くないですから」

 中学1年の時に父母は離婚。8歳年上の兄は、出産時のトラブルで脳性まひを患っており、生活は母の肩にかかっていた。

 「売れっ子歌手になったら母に一戸建てをプレゼントしよう! これが夢でした」

 作曲家の故・市川昭介氏門下だけに実力は折り紙付き。数々の歌謡賞新人賞を受賞し、2001年4月から文化放送の深夜番組「走れ!歌謡曲」のレギュラーパーソナリティーを1年担当。中堅女性演歌歌手として地歩を固めていた。だが、02年4月、活動を休止してしまう。「歌に迷いが生じて、人前で歌う自信がなくなった」のだ。

 「辛いから歌番組を避け、普通のフリーターになりました。一番長かったバイト先は、新宿の京王百貨店にある天ぷら専門店『つな八』さん。今も大変お世話になっているんですよ」

 そして次第に、「もう一度」と意欲がわき、5年前に活動を再開した。

 「兄は3年前に亡くなり、母と2人暮らしです。今の夢は、一戸建てよりも紅白出場。これがお世話になった方々への一番の恩返しですから」

 ■いちかわ・ゆきの 演歌歌手。1976年1月8日、埼玉県浦和(現・さいたま)市生まれ。93年8月21日、「おんなの祭り」でデビュー。94年に文化放送「第26回新宿音楽祭」とテレビ東京「第13回メガロポリス歌謡祭」の両新人賞を受賞し、96年には「第6回NHK新人歌謡コンテスト」の優秀賞受賞。今年10月5日、21枚目のシングル「桟橋時雨」発売。12月8日に朝日放送「THAT’S  ENKA TAINMENT〜ちょっと唄っていいかしら?〜」(深夜1時38分)、同13日はNHK総合「NHK歌謡コンサート」(午後8時)に出演予定。

 

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