山口百恵が芸能界に復帰しないワケ

2011.12.16


南沙織(写真)と山口百恵。ともに“酒井門下生”だ【拡大】

 10年ぶりに紅白歌合戦に出場する松田聖子が、神田沙也加と親子で出場することで、これまで辞退してきた紅白に出場する意味を見つけたり、香川照之が3歳の時に別れた父親・市川猿之助と、長い確執を乗り越えて、一時期同居したり。

 今年は家族の絆、友だちや仲間の絆、地域の絆の大切さがクローズアップされた年だった。

 その家族の絆を、篠山輝信に垣間見た。

 NHK『あさイチ』やバラエティー番組で見せる笑顔に育ちの良さ、品の良さが感じられ、そこから母親の育て方が透けて見える。

 彼の両親は写真家の篠山紀信・南沙織夫妻。

 1971年に『17才』でデビューした南沙織が沖縄から上京したとき、まだ沖縄はアメリカの占領下で、彼女はパスポート持参で“本土”にやってきた。

 デビューしてすぐ人気者になり、小柳ルミ子、天地真理と一緒に3人娘と言われたが、その頃から既に、「自分は芸能人には向かない」と口にした。

 そして78年、上智大学に入学したのを契機に、引退。その際、お世話になった篠山氏にお礼の挨拶に行ったのが交際のきっかけとなる。

 以来、何度か芸能界復帰が噂されたこともあったが、家庭を第一に考え、何よりも家族を大切にしている。

 今年がデビュー40周年にあたり、熱心なファンを中心に様々な企画の動きが出ているが、彼女が表舞台に出る気配がないのは、家庭が充実しているからだろう。

 結婚後は3人の男の子に恵まれ、長男は篠山氏の事務所をサポート、次男はミュージカル俳優、そして三男は国立大学の理系を卒業し、現在はソニーの研究員をしている。三男を知る人によると“天才”なのだという。

 次男の輝信が「親の七光と言われることに抵抗はない」と言い切ったり、篠山氏から「3人の中で写真家を継ぐなら輝信だ、表現するエネルギーを持っている」と言われてうれしかったと言ったりしていることからも、両親の揺るぎない愛情の元で育ったことを感じさせる。

 「時代と寝た女」「1億人の娼婦」と言わしめたのが山口百恵。

 三浦友和との間に祐太朗、貴大の2男をもうけ、祐太朗はシンガーとしてデビュー。ミスチル桜井系の音色で、今後の企画次第。

 貴大は昨年、映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど役者として認められ始めた。

 高校時代は水泳部、大学時代はライフセービング部に所属していたスポーツマンで、ケイン・コスギと共演しているリポビタンDのCMはうってつけの起用。

 今どきめずらしい硬派の顔立ちで目に力がある貴大も、ややおっとりした顔立ちの祐太朗も、篠山家同様、育ちの良さから来る品の良さを感じさせ、百恵さんの子育てぶりを彷彿させる。

 友和は、父親として、それぞれ自分の力で頑張ればいい、特別に応援はしないと言っているものの、自身の出演作品の記者会見などで、折に触れて息子のことを語るのは、やはり親心。

 芸能界の厳しさを誰よりもわかっているからこその心配と、親と同じ世界に進むと決めた息子たちを応援したい親心とで、さりげなく息子のことを口にするあたり、深い絆で結ばれた家族を感じさせる。

 この絆がある限り、山口百恵があのステージに戻ることはない。

 ■酒井政利(さかい・まさとし) 和歌山県生まれ。立教大学卒業後、日本コロムビアを経てCBS・ソニーレコード(現、ソニー・ミュージックエンタテインメント)へ。プロデューサー生活50年で、ジャニーズ系・南沙織・郷ひろみ・山口百恵・キャンディーズ・矢沢永吉ら300人余をプロデュースし、売上累計約3500億円。「愛と死をみつめて」、「魅せられて」で2度の日本レコード大賞を受賞した。2005年度、音楽業界初の文化庁長官表彰受賞。

 

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