「坂の上の雲」舞台が“ボッタクリ巣窟”に!

2011.12.22


旅順港を臨む「28サンチ榴弾砲」の砲身はゴミが散乱していた=中国・旅順【拡大】

 「まことに小さな国が…」のナレーションで足かけ3年にわたり放送してきたNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」は25日の「日本海海戦」で最終回を迎える。今年の第3部で話題となったのが「203高地」をめぐる攻防戦だ。数多の日本兵が敢闘むなしく倒れゆくシーンに心打たれ、「203高地に行ってみたい」と思った視聴者も多いはず。だが、実際に行くと、ボッタクリ中国人の巣窟と化していた。

 日本から旅順へ直行便はなく、大連から向かう。公共バスの発着場を探すのに一苦労。ようやく見つけても長蛇の列。「もっと早いワゴン車があるよ」の呼び込みにつられ乗り込んだ。

 定員の10人が集まった20分後に出発。運賃はバスの3倍で20元(245円)だ。30分ほどで到着した「203高地」の入場料は40元(500円)と、中国の物価水準ではものすごく高い。遊歩道では、「お兄さん、頂上まで歩くと1時間はかかるよ。見られない所も案内するから」と流暢な日本語ガイドの女性。100元(1225円)を払って、またワゴン車に。

 案内役の運転手は日本語ができず、「カメラ、カメラ」と、撮影ポイントを指差すが、どう見ても普通の山や茂みにしか見えない。唯一、日本軍の第3回総攻撃で戦死した乃木希典の次男、保典の慰霊碑は確認できたが、石で削ったような酷い落書きが…。ロシア軍の塹壕が100年以上経った現在も残っていたのには驚かされるが、草だらけで手入れがされていない。10分ほどで頂上に到着。「1時間かかる」「見られない所も案内する」というのは真っ赤なウソで、余裕で歩ける距離だった。

 乃木希典が戦死者を弔うために建立した「爾霊山」慰霊碑には、第二次大戦後に進駐したロシア人の落書き、さらに文化大革命で一部が破壊された跡が残る。

 立て看板には日本語で〈今はこの爾霊三(ママ)は日本軍国主義による対外侵略の罪の証拠と恥の柱になった〉と誤字混じりで、書き殴られていた。さらに旅順攻略の要となった「28サンチ榴弾砲」(※「サンチ」は戦時中表記で、センチのフランス語読み)の砲身にはタバコの吸殻やテッシュが…。なんということか、中国人のゴミ箱になっていた。

 慰霊碑で英霊に祈りをささげていると、これまた日本語の流暢なオヤジが登場。「無料ですから…」と攻防戦をひととおり解説して恩を売る。そして「こちらへどうぞ。乃木ゆかりの風水の珍しいものです」と、土産物店へ誘導し、法外な値段(1万円以上)のアクセサリーを押し売り。どうにか断って下山するにも、郊外ゆえ足がない。タクシーは「100元」とふっかける。日暮れも近づき、来たときの5倍払って、ようやく市内へ。どこに行ってもボッタクリ。原作者、司馬遼太郎さんの嘆きが聞えそうだ。(K)

 

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