芦田愛菜にあって黒木メイサにないもの

2012.02.24


事後報告となってしまった黒木メイサと赤西仁のできちゃった婚【拡大】

 子役たちの大活躍で、芸能界の低年齢化がますます盛んな中、芦田愛菜や鈴木福ら人気子役の礼儀正しさに周囲の大人たちが驚いている。

 まだ小学1年生だというのに、大人に対して敬語を使い、挨拶も怠らない。

 それはひとえに家庭、親の躾。

 そんな7歳がいるかと思えば、27歳と23歳の赤西仁と黒木メイサ。礼儀どころか、ルールさえも無視して我流で入籍した。

 確かに、結婚は成人男女であれば誰に遠慮することなくできる権利。が、高額で事務所やスポンサーと契約を結ぶ芸能界では、自分たちの都合と判断で入籍していいというわけではない。

 契約内容によっては多額な違約金が発生する場合もあるため、根回しも必要。

 何よりも、やや虚構めいた芸能界で、本来芸を売る商売の芸能人が、その域にも達しないアイドルたちのなだれ込みによって、芸の扉を開ける手前の通路で人気を手にする。

 クレバーなアイドルは、その段階で芸を磨く努力をするが、人気を実力だと勘違いしてその浅瀬で溺れてしまうケースも多々見られる。

 お騒がせタレントは、それでも親的存在の事務所がバックアップしている間は、たとえ人気者だと勘違いしていても仕事を続けられる。

 が、事務所に見放されたとき、芸の扉をくぐることなく消えてゆく。

 美輪明宏さんの“正負の法則”ではないが、幸運にデビューできても負に終わりがちの人が多く、どれだけのアイドルが消えていったことか。

 ルールは法律ではないが、それぞれの世界に通用する流儀である。

 時代性も加味されるため変動的だが、ベースは変わらない。順番や手順も普遍。

 デキ婚が社会的に認知されている今、本人も周囲も処し方が大事になる。

 おめでたい話ではあるが、波紋を最小限に抑えるためにも、まずは親、つまり事務所にきちんと連絡をして今後の計画を立てるべき。

 自分たちだけで生きている、人気は自分で手にしたと思っているなら、大いなる錯覚だ。

 親なる事務所あってこその、人気者。事務所を軽んじては信頼という蜜月も終わる。またそれをタレントにきちんと教え込まない親にも問題はある。

 励ましという褒め言葉で甘やかし溺れさせてはいないか。その時、芸の扉に続く人気ロードは閉ざされかねない。

 薬丸裕英と石川秀美の次男が、スペインのサッカーチームに所属が決まった。次男が世界で活躍する夢を追いかけたいと両親に伝えたとき、薬丸は「可能性に賭けてみろ」とスペインに送り出した。現地で言葉を学びながらサッカー修行を続けた次男の努力から、親の育て方が透けて見える。

 しっかりした親子関係の典型は石原軍団。渡哲也を頂点に、石原プロモーションに所属する役者はベテランも新人も、礼儀をわきまえ、流儀が守られている。

 恩義を受けた相手に対する礼の尽くし方は日本人の手本にもなり得るほど。

 その分、やや慎重すぎて堅苦しいきらいはあるが、悪いことではない。

 もっとも神田正輝は、私生活で慎重になり過ぎたのかもしれないが。

酒井政利(さかい・まさとし) 和歌山県生まれ。立教大学卒業後、日本コロムビアを経てCBS・ソニーレコード(現、ソニー・ミュージックエンタテインメント)へ。プロデューサー生活50年で、ジャニーズ系・南沙織・郷ひろみ・山口百恵・キャンディーズ・矢沢永吉ら300人余をプロデュースし、売上累計約3500億円。「愛と死をみつめて」、「魅せられて」で2度の日本レコード大賞を受賞した。2005年度、音楽業界初の文化庁長官表彰受賞。

 

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