風祭ゆき“ロマンポルノ”で脱いだワケ

★ロマンポルノ黄金時代築いた風祭ゆき(58)

2012.06.08


20年前と変わらぬ美貌で舞台に立つ【拡大】

 「にっかつからの出演依頼は、1年ぐらいお断りしていたんです。19、20歳なら、ソレを踏み台にして、とも考えるんでしょうけど……もう年齢的に今更やっても、という感じでしたから」

 ロマンポルノ黄金時代を築いた風祭ゆき。だが、当時すでに一般作に出演し一定の評価を得ており、無理をする必要もなかった。それが、大物監督の言葉で考えが変わる。

 「当時、大島渚さんの関連事務所に所属していたんですが、監督が台本を見て『こんなの、やんなさいよ、体操みたいなもんなんだから』と(笑)。ああ、そうかも、と思ったんです。俳優として主演を1本やっておくべきだとも言われました」

 そして、現場で意識は大きく変わった。

 「現場のスタッフ全員が私を魅力的に撮ろうと一致団結する。照明もカメラもいかに綺麗に写すか必死になってくれる。とにかく私を大事にしてくれて、これが作品を背負う主演の重みなんだな、と自覚を持ちました」

 一度脱いだら、今度は着るのが難しい芸能界だが、1981年『セーラー服と機関銃』(東映)、83年『十階のモスキート』(ATG)と、にっかつ作品と並行して一般作にも次々と出演する。

 「自然にシフトしていった感じです。いい作品に恵まれてきたと思います。ある評論家の方に『演技という衣装を一枚ずつ肌の上にのせていくつもりで頑張りなさい』と、当時言われました」

 今や文句なしに役の幅が広い演技派女優だ。

 この秋公開の映画『ゼウスの法廷』では、二股で話題になったあの塩谷瞬の母親役。さらに俳優・大和田伸也初監督作品『恐竜を掘ろう』(来年公開)では、陶芸インストラクターを演じる。

 「大和田作品では主人(作曲家・長谷部徹氏)が音楽を担当しています。結婚して9年。なんか友達みたいな関係ですね」

 多趣味(クレー射撃、タップなど)で知られ、最近は愛犬(ボルゾイ)を連れて各地のドッグショーに参加することも。

 「去年は写真家の渡部さとるさんのワークショップへ通って、写真の勉強を。やりたいことがたくさんあって、時間が足りないんです!」

 美しさの秘密は、常に好奇心旺盛でエネルギッシュでいることなのだろう。

 ■風祭ゆき(かざまつり・ゆき) 1953年8月15日東京都生まれ。77年映画『竹山ひとり旅』(新藤兼人監督)でデビュー。80年『赤い通り雨』(にっかつ)で主演し、以後14本のロマンポルノ主演作を残す。と同時に、一般作にも多数出演し、04年にはタランティーノ監督の『キル・ビル』に出演した。映像だけでなく舞台出演も多く、15日〜19日は『月島家の人々』(東京・銀座みゆき館劇場)。7月11日〜15日『愛しのバックストリート』(池袋シアターグリーン)に出演する。

 

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