【編集局から】「寅さん」の魅力は“昭和の香り” ケータイは似合わない

2012.11.28

 11月29日は寅さんの誕生日です。演じていた渥美清さんが生まれた日ではありません。映画『男はつらいよ』の第26作『寅次郎かもめ歌』で、寅さんが定時制高校に提出した入学願書には生年月日が「昭和15年11月29日」とあります。今回の誕生日で72歳になる計算です。

 人それぞれに寅さん映画の中で好きな部分があるでしょう。個人的には「昭和の香り」を感じるところが魅力です。汽車の煙、船の汽笛、駅前食堂、公衆電話。いずれも昭和の風景には欠かせない存在です。

 もしも映画が現在まで続き、妹のさくらとおばちゃんがこんな会話を交わしていたとしたら…。

 「お兄ちゃん、今ごろどこにいるのかしら」

 「そうださくらちゃん。寅ちゃんのケータイにかけてごらんよ」

 寅さんが携帯電話を持つかどうかは分かりません。こんな会話のシーンがあっても面白そうですけれど、昭和の香りはしませんね。寅さんは旅先で10円玉を片手に赤電話、柴又の団子屋は黒電話。これが正しい昭和でしょう。72歳の誕生日を前に平成24年の姿を想像してみたものの、平成が深まった世の中は寅さんには似合わないな、と思ったのでした。 (報道部・久保木善浩)

 

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