ジンクス破った! 映画「レ・ミゼラブル」快進撃のワケ

2013.01.18


ゴールデン・グローブ賞で主演男優賞を受賞したヒュー・ジャックマン(右)と助演女優賞のアン・ハサウェイの演技が涙をさそう(AP)【拡大】

 「ミュージカル映画は当たらない」という日本の映画界に伝わるジンクスを打ち破る快進撃だ。ビクトル・ユゴー原作の人気ミュージカルを映画化した「レ・ミゼラブル」(トム・フーパー監督)が昨年12月21日の公開から、今月16日までに興行収入30億円を突破する大ヒットを記録。中高年の映画ファンもハンカチ片手に涙する光景が映画館に戻ってきた。

 アメリカでの評判も高い。アカデミー賞の前哨戦であるゴールデン・グローブ賞では、ミュージカル・コメディー部門で作品賞と、ヒュー・ジャックマン(44)が主演男優賞を受賞。ドラマ部門と一体で選定される助演女優賞では、ファンテーヌ役のアン・ハサウェイ(30)が受賞。そのアナウンス効果が、動員をさらに後押しする。

 正月映画の興行収入見込み(表参照)でも、50億円超えが見えてきた。

 当初、映画関係者の間では「シリーズ最高傑作」と評論家筋の評価が高かった「007 スカイフォール」の独り勝ちと見られた。なぜなら「レ・ミゼラブル」は2時間38分と長尺で、全編にわたり、ほぼ俳優の歌。まだ日本ではミュージカル人気が定着していない、と見る向きもあったからだ。

 フタを開けてみれば、「歌えるスターを集めた仕掛けの大きな作品で、ゴージャスな映画を見た! という、満足感が味わえる」(映画評論家のおかむら良氏)と、英国ミュージカルを忠実に再現した映像の力が口コミで広がった。

 「ジャックマン演じるジャン・バルジャンの波瀾万丈の人生と、執念で彼を追い続ける宿敵ジャベールの対立。基本的には男くさいドラマだが、ヒロインのウエイトを大きくして、泣けるシーンを作り、女性客を動員することに成功したのがヒットの要因だろう」と、おかむら氏は分析。

 その泣けるシーンを盛り上げるのが2人のヒロインだ。前半はハサウェイが貧しさのドン底にいる母親ファンテーヌ役を熱演。長い髪を売り、夜の女に転落するシーンは涙をさそう。実際に体重を落として髪を切り、役作りに成功した。

 後半のヒロインは、ファンテーヌの娘で、ジャン・バルジャンに育てられたコゼット。切ない恋物語が見どころとなる。演じるアマンダ・セイフライド(27)は歌唱力に定評ある若手女優。「スッキリした気分で劇場を出ることができるのがいい」(おかむら氏)

 演劇ファンにとっては、東宝ミュージカルで何度もロングラン公演されたおなじみの演目。今年も4〜7月の東京・帝国劇場から福岡、大阪、名古屋で10月まで上演される。「映画を観てから、舞台へ」という流れに持ち込みたいところだ。

 アカデミー賞の手応えはどうか。映画評論家の垣井道弘氏は「ゴールデン・グローブ賞の受賞で、ハサウェイの助演女優賞でのオスカーは確率が高くなった。『レミゼ』がアカデミー賞の主要部門で受賞すれば、ミュージカル映画としては2002年度に作品賞と助演女優賞を獲った『シカゴ』以来、10年ぶりの快挙となるが、その可能性は大いにある」とみる。

 授賞式は2月24日(現地時間)。結果次第では、映画のリピーターがさらに増えて、配給元はウハウハか。

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