三國連太郎さん“怪優”秘話 役作りで歯を10本抜く! 穏やかさ現場では一変 

2013.04.16


取材には常に優しい笑顔だった三國さん=1996年【拡大】

 数多くの名作を残して90歳で逝った三國連太郎さん。産経新聞文化部時代、何度も三國さんを取材したジャーナリストの田中宏子氏が、現場での三國さんを振り返った。

 “怪優”“奇人”などと称され、アクの強さと徹底した役づくり。30代で老人を演じたときには、自らの歯を10本も抜いてしまった。4度の結婚に加え、奔放な女性関係でも知られる。

 最初の出会いは26年前。駆けだしの映画記者だった私は、恐る恐る「親鸞・白い道」のロケ現場を訪ねた。構想15年で初監督に挑んだ作品。出演者の1人、大楠道代さんは「台本の読みが浅いとすぐにバレてしまう、怖い監督」と言う。ますます緊張する私に、三國さんは親鸞に強くひかれた理由を物静かな口調で語り始めた。それはまるで仏様が諭しているかのようだった。

 その後、数多くの取材でお会いしたが、いつも穏やかな笑顔で迎えてくれる。しかし、ひとたびカメラの前に立てば一変する。この激しい落差が病みつきとなった。いま、古い取材メモをめくっていくと、さまざまな言葉がよみがえる。

 「役者業は、趣味と実益を一緒にしてしまった素敵な世界」

 「役者に年齢は関係ないし、演じることが僕の生きがい。でも、名優と呼ばれたらおしまい」

 「芸を極めたなんて、とんでもない。まだまだこれから少しずつ階段を上って行かなくては」

 「釣りバカ日誌」シリーズでは当初、こんな言葉を発していた。「これは役者の堕落だと思った。このままではスーさんのイメージに固定されてしまいますから」。だが次第に「僕の役者人生にとって大事な作品」と変わっていった。

 「三國連太郎」として生き、戒名も要らないという。役者として生き抜いた三國さんらしい去り方だった。

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