石原さとみと綾瀬はるかに見る“アイドル病”脱皮

2013.10.23


石原さとみ【拡大】

 楽天の田中将大投手がクライマックスシリーズで“炎のリリーフ”を務め、日本シリーズ進出を決めた。

 振り返れば2006年夏。甲子園で球史に残る激闘を繰り広げた田中の対戦相手は、日本ハムの斎藤佑樹。ふたりは、かたや男臭い高校生、かたやハンカチ王子として何かにつけ比較され続けた。

 以来7年、2人のポジションはあまりにも違いすぎる。

 野球の専門家は斎藤の慢心と環境の差だというが、共に球界のアイドルとも言える存在、2人の差は周囲からのアイドル目線に乗ったか乗らなかったかにあるとみる。

 そういえば、斎藤が取材陣に向かってかけていたサングラスを、一瞬、ミラーにしてヘアスタイルを直した。再びサングラスをかけたのを見て、ハンカチ王子というブームの中で、アイドル病にかかりつつあると危惧したことを思い出す。

 アイドル病は芸能界に蔓延している。

 ドコモのCMで失恋しても相手を思い続ける大人の女性を演じている石原さとみ。

 デビュー当時からアイドル性の中にセクシーな顔を覗かせていたが、演じる役柄のほとんどが「はしゃぐ女の子風」で、彼女の良さはあまり伝わってこなかった。

 本人も周囲もアイドルとして振る舞い、強調すればするほど自然さが遠のいていく。

 衣装もメークも、演じる立ち居振る舞いも仕草も、ともすればどたばたコメディーに登場するような媚びる女の子になってしまうのだ。

 清純さとセクシーさのバランスが整えば、魔性の女を演じられる女優に変貌するとみるのだが。

 対照的なのは石原より2年早くデビューした綾瀬はるか。大みそかのNHK紅白歌合戦で、初の紅組司会者に選ばれた。

 デビュー直後はアイドルのような扱いも受けていたが、女優として頭角を現してからはすっかり落ち着いた様子を見せる。どんなおきゃんな女の子を演じても、その落ち着きがプラスに作用してクスッと笑えるかわいらしさになり、天然系と言われるゆえんとなる。

 綾瀬が見せるアイドル性は、その品の良さと芯の強さで同世代や異性だけでなく広く茶の間にアピールしている。

 フィギュアスケート界にも対照的な2人がいる。安藤美姫と浅田真央。先日の大会で優勝はしたものの、技術的には全盛期にほど遠かった安藤は、五輪の強化選手に選ばれようと、必死でもがいているように見える。出産を公表することでアイドルの座を自ら降りたことのツケを、自分できちんと精算しようとしている姿が潔い。そこにはひとりの女性として生きるという強い決意が感じられる。

 GP初戦で優勝を飾った浅田は次のソチ五輪で引退を表明している。まだまだ滑れると周囲は驚くが、スケートだけに専心させてもらえない状況も含めて、疲れてしまったのかもしれない。

 ちやほやされるアイドルがそこから脱却して伸び続けられるかどうかは、贔屓の引き倒しを乗り越えられるかどうかにかかっている。

 魅力的な旬は待ち伏せてはくれない。アイドル性という人気度を踏み台にして、年齢と共にどう伸びていくかを考えるべきである。まさに試練。その試練を乗り越えてこそ、女神は微笑む。

 ■酒井政利(さかい・まさとし) 和歌山県生まれ。立教大学卒業後、日本コロムビアを経てCBS・ソニーレコード(現、ソニー・ミュージックエンタテインメント)へ。プロデューサー生活50年で、ジャニーズ系・南沙織・郷ひろみ・山口百恵・キャンディーズ・矢沢永吉ら300人余をプロデュースし、売上累計約3500億円。「愛と死をみつめて」、「魅せられて」で2度の日本レコード大賞を受賞した。2005年度、音楽業界初の文化庁長官表彰受賞。

 

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