シワは刻まれているが、年齢を受け入れてなお、シャウトもキーの高さも衰えていなかった。11年ぶりの日本ツアーを続けるポール・マッカートニーが18日、東京ドーム公演を開いた。
71歳5カ月での公演は同所でサイモン&ガーファンクルが持つ平均67・7歳を3年8カ月、ソロアーティストとしても小田和正(66)の64・0歳を7年5カ月上回って史上最高齢というが、年齢なんて、熱狂のうちに吹き飛んだ。
先の大阪公演などでネタバレしているので、あえてアンコールについて書く。
「フクシマのみなさんにこの曲をささげたい」と語り、弾き語りで「イエスタデイ」をしみじみ。そのすぐあとに、ハードロックの元祖と言われる「ヘルタースケルター」を絶叫して、5万人の大観衆を盛り上げる。
オーラスの「ゴールデン・スランバー」は、「ゲット・バック・ツアー」(89〜90年)と同様に、「キャリー・ザット・ウェイト〜ジ・エンド」のメドレーという見事な流れだ。39曲、ほぼノンストップ。「英語の方がテクイ(得意)です…」とユカイな日本語を随所にはさみながら、同時通訳の字幕も登場。時折、ズボンのサスペンダーをおどけで広げる仕草がポールらしかった。
東京ドーム公演は19日、21日も行われる。(中本裕己)