高月靖さん「キム・イル 大木金太郎伝説」 日韓の壁越えたプロレス一匹狼の半生に迫る (1/2ページ)

★高月靖さん『キム・イル 大木金太郎伝説』河出書房新社1890円

2013.12.22

連載:ブック

 ジャイアント馬場やアントニオ猪木とともに力道山が創設した日本プロレスの四天王と呼ばれた大木金太郎(1929−2006)。力道山が非業の死を遂げてプロレス界が空中分解した後も、大木は得意技の頭突きをひっさげて馬場や猪木に挑戦状を叩きつけた。一匹狼として名を馳せ、プロレスで日韓の壁を越えた男の生き様に、ノンフィクションライターの高月靖氏が迫った。 (文・写真 兼正次郎)

 ──大木の「伝説」に目を付けたきっかけは

 「1960〜70年代の韓国大衆文化に興味があり、70年代を象徴する国民的英雄として金一(キム・イル)の存在があった。調べると、子供のころに聞いた大木金太郎と同一人物だとわかり、バックストーリーがある人物だと確信して取材を始めた。日本と韓国の歴史を象徴する出来事が、ドラマチックな生涯の中に濃縮されていると思いました」

 ──大木は新日本と全日本の“専属”ではなく、孤高のレスラーとして渡り歩いた、と

 「大木は『馬場と猪木とは対等だ』という意識が強かったことが、影響しているのではないか。当時、ガチンコでケンカすれば3人の中で『大木が一番強い』と言われていましたから」

 ──朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が全面的に大木を支援したのですね

 「朴氏は力道山の活躍を見聞きし、韓国にもヒーローが必要だと考えたのです。社会の不満をプロレスでそらす政治的な目的もあるが、朴氏自身が、スポーツ観戦が大好きだったことも関係していたと思います」

 ──しかし、朴氏の暗殺と同時にプロレスは凋落してしまう

 「政権交代した全斗煥氏はプロレスが嫌いだった。一方で野球好きだったので、プロ野球を立ち上げたのが大きかったですね。プロレス団体も内部分裂を起こして機能しなくなった時期です」

 

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