★竹田恒泰さん『日本人はいつ日本が好きになったのか』 PHP新書798円
わが国にとって、“厄介極まりない隣人”中国と韓国。性懲りもなく無理難題を吹っかけてくる両国とどう付き合えばいいのか。著者が秘策を伝授する。 (文・写真 大谷順)
──中国と韓国とでは「対応を変えるべき」だと主張していますね
「中国は大国です。経済面はもちろん、軍事面でもすさまじい勢いで拡大・膨張路線を突き進んでいる。もし今、海上自衛隊と中国海軍が戦えば、問題なく自衛隊が勝つでしょうが、将来、中国が空母を複数持ち本格稼働させるようになれば大きな脅威になる。軍事バランスが崩れたときに日本が対応を誤れば、国を滅ぼされかねません」
──具体的には
「一方で歴史を見れば、中国と親密な国ほど早く滅んでいるのです。だから中国には、『敬して遠ざけよ』の姿勢で対処するのがいい。友好関係を保ち、衝突を避けながら一定の距離をとる。まさしく聖徳太子が進めた『和』の外交ですね。ニコニコして相手の言いなりになることでは決してありません。(領土問題など)守るべきことはしっかり守り主体性を持って協調を重視する外交です」
──韓国とは
「相手にしないことですよ。韓国の経済や軍事力は中国とは比較にならないほど小さく、どう動こうが日本の将来に大きな影響を与えることはない。韓国はいわば“当たり屋”のような国です。すでに日韓基本条約で解決済みの請求権問題を持ち出してくるなど、所構わず因縁をつけてくる。こんなとき日本は直接、韓国にクレームをつけるのではなく、世界に向けて、韓国の無法ぶり、ひどさを訴えればいいのです」
──対中国では(親日的な)台湾との関係も重要です
「秘策があります。台湾は国連に加盟していないので、傘下のユネスコが担当する世界遺産には申請ができない。そこで、日本が日本統治時代に作ったものを代理申請するのです。例えば、八田與一(はった・よいち)が作った当時、世界最高水準の烏山頭(うさんとう)ダム。この灌漑施設によって台湾の食糧問題は劇的に改善されました。もし登録されれば、台湾の人々が日本に感謝するのは間違いありません」