「ほとけの文さん」… 愛され亡くなった山本文郎さんの思い出

2014.03.01


山本文郎さん【拡大】

 フリーアナウンサーの山本文郎(ふみお)さんは、「ほとけの文(ぶん)さん」と呼ばれていた。「見かけとは裏腹に癖のある出演者は多いけど、山本さんは本当に見かけ通り、人のよさが全身ににじみ出ている人だった」とテレビ番組制作会社幹部が振り返る。

 その文さんが2月25日未明、肺胞出血のため亡くなった。享年79。

 後輩の面倒見がよくて、TBSの局アナ時代には後輩アナを連れて飲みに行っていたが、「一切、説教を言わない。小言も言わない」(関係者)。酔って醜態をさらすようなこともなかったという。

 「芸能界で心を割って酒を飲んだ相手は、市村正親、アントニオ古賀さん、フランク永井さん」と言っていた。

 ゴルフが大好きで、ゴルフコンペを主催したこともあったが、「普通、土曜日か日曜日にやるでしょう。ところが文さんは土日の2日間にわたってやるんです。驚きましたね」とプロダクション関係者が明かす。

 TBSの演芸番組「落語特選会」で長年司会を担当していたが、「寄席にはほとんど行ったことがないんですよ」と言っていた。なぜか。昭和名人と言われた先代の桂文楽のひと言があった。

 ラジオの演芸番組を担当していたときのこと。舞台で「次は桂文楽さんです」と紹介した後、山本さんは舞台袖の椅子に座って落語を聴きながらのけぞって大笑いしていたという。ある日、番組プロデューサーが「文楽師匠が呼んでいるよ」。

 怒られるかな、と覚悟していた山本さんに名人文楽はこう伝えた。

 「そのままでいなさい。通はいけませんよ、通は」

 知ったかぶりはいけないという訓示を守り、芸人との深い付き合いを避けたという。

 家で古今亭志ん朝の「文七元結」をDVDで見たときのこと。「この“眼技”が素晴らしいね」と絶賛し、解説の部分で自分が登場することに、まったく気づいていなかった。

 「ほら、映っているよ」と台所の由美子夫人に声をかける。包丁の手を止めた夫人は「あら、ほんと」と笑顔で受け止めていた。

 年の差31歳の夫婦。順番通りのお別れではあるが、もう少し先であってほしかった。

 

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