演出家内海重典さん…ドライアイスで白煙効果発案

★演出家内海重典さん

2014.03.29


内海重典さん代表作5点【拡大】

 戦前戦後の宝塚で活躍、数々の名作を残した演出家、内海重典(うつみ・しげのり)さんが83歳で亡くなって15年がたつ。宝塚100周年の式典を4月5日に控え、希代のアイデアマンであり新しもの好きな内海さんが健在だったら…と、ふと思う。

 大阪生まれ。宝塚が好きで好きで、1939年に編集部員として入団、41年に『高原の秋』で念願の演出家デビューを果たすや、同年末には『宝塚かぐや姫』を発表。劇中、かぐや姫にふんした小夜福子が花の馬車に乗って天上へ帰る場面で歌った「さよなら皆様」(内海作詞、河崎一朗作曲)は、今でも東西宝塚劇場の終演時に流される歌に選ばれている。

 アイデアマンの極め付きは、芝居のクライマックス、ことに悲恋場面で舞台袖からスーッと沸き上がってくるドライアイスの白煙効果だ。その発案者であり、55年、『ブルーハワイ』の舞台上で、世界で初めて使ったのだ。生前の内海さんは、「特許を取っていたら、随分お金持ちになれたのに」と笑っていた。

 「父が買ってきてくれたアイスクリームの箱に入っていた白い塊を、水の入ったコップに入れて遊んでいたら煙が出てきて…」と語るのは、内海さんの長男で、元東宝演劇部宣伝室長の内海弘一さん(66)だ。「おっ、これは使えるじゃないか」と叫んだお父さんの大声が今でも蘇るそうだ。

 51年に初渡米。翌年には米国体験を応用して、『ブロードウェイ』で紗幕を初使用、『君若き頃』では主演の明石照子にコード付きマイクで歌わせた。スタンド式だった時代に画期的な試みで、そのアイデアは当時の松下電器のスタッフによってワイヤレスマイクの発明に貢献した。

 新人を抜擢(ばってき)しスターにする名人でもあった。以前、鳳蘭の項でも触れたが、何もできない受験生から素質を見抜いた。鳳は中国の歌の巧さと度胸で、上月昇は徒手体操のしなやかさで、有馬稲子と月丘夢路はまれに見る美女ぶりで採用。みな大スターになった。新珠三千代を初舞台から1年目で越路吹雪の相手役にしたのも内海さんだった。宝塚以外でも、大阪・千里の「EXPO’70」他、イベント演出でも観客を楽しませた。 (演劇コラムニスト・石井啓夫)

 

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