大湖せしる、男役から娘役へ演じる幸せ2倍

★大湖せしる

2014.08.16


「宝塚に入るまで、ズボンは男の人が履くものと思っていた私は、スカートばかりでした」と娘役の原点を語る大湖【拡大】

 東京宝塚劇場・雪組公演(31日まで)に出演中の大湖(だいご)せしる。第1部の日本物の芝居「前田慶次」では、前田家の奥女中・加奈役で凛とした中にも哀しい女心をのぞかせる武家娘を好演している。第2部のレビュー「My Dream TAKARAZUKA」では、躍動感あふれる魅力を発揮して歌い踊る。男役と組んで遜色ない見栄えがダイナミックだ。

 大湖は2年前まで男役だった。きりりとした目元が涼しい新進スターで、新人公演では主演を含め主要役の常連。将来の雪組男役の戦力になるはずだった。「でも、好きだと思い込んで作り上げていた男役に、何か言葉では表現できない違和感を覚えていました」

 入団10年目の2011年、フランス発のミュージカル「ロミオとジュリエット」で「愛」という物語のテーマを象徴する女役に配役された。「私の体の中に違うモノが生まれた! それまでの男役とは違う感覚が」。悩みながらも1年間、男役を演じ続けた。

 11年のショー「ROYAL STRAIGHT FLUSH!!」で、今年10月に雪組トップに昇格する早霧せいな演じるインディアンの相手となる女役に配役され、ソング&ダンス場面を務めたとき、揺れていた気持ちが固まった。

 「女役のほうが呼吸がしやすく、リアルになれるのを悟りました。転向するなら今だと。10年間、男役をしっかり演じてきたので、中途半端に投げ出すのとは違う」

 12年のバウホール公演「双曲線上のカルテ」から正式に娘役に転向。「不安でした。男役の私についてきてくれたファンが全員去ってゆくと覚悟しました」。しかし、ファンは誰も離れなかった。「せしるさんには変わりないから、という温かい言葉が私に勇気と幸せをくれました」

 今、入団13年目。女役の大役、印象役が続く。昨年の「春雷」でバウ初ヒロイン、現在の舞台を終えると10−11月のバウ公演「パルムの僧院」で主役を惑わす公爵夫人、来年1月の宝塚大劇場雪組公演「ルパン三世」では峰不二子。多彩で豪華な役柄が控えている。男役から娘役へ、タカラジェンヌを2倍楽しんでいる幸せなスターである。 (演劇コラムニスト・石井啓夫)

 

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