ローザンヌ6位のバレエダンサー・加藤三希央 足の炎症で降板の悔しさ

2014.08.22


加藤三希央【拡大】

★加藤三希央

 モナコ公国モンテカルロ・バレエ団で、唯一の日本人男性ダンサーとして注目される加藤三希央(18)。父は「あずさ2号」のヒットで知られる兄弟デュオ「狩人」の兄、加藤久仁彦(57)だ。5歳のとき、母の実家がある福島県に移り、「そこで兄と一緒にバレエを始めました」。

 めきめきと頭角を現し、コンクールで日本一になると「バレエダンサーを職業にしたい」と考えるようになる。「日本の高校に進まず、海外のバレエスクールに留学したいと思い、プロになるチャンスのあるバレエ学校を目標にしたんです」

 運命は動き出す。2011年、ユースアメリカグランプリ日本予選で優勝。審査員だったモナコ王立グレースバレエ学校の校長と出会い、留学先を決めた。

 日本を代表するバレリーナ、森下洋子(65)が学んだヨーロッパ屈指の名門。留学当初は「言葉が分からず、戸惑うばかり。担任の先生が校長に『どうして、この子を入学させたの』と抗議したことも。チョコがおいしくて、4キロぐらい太った」と苦笑する。

 語学が身に付いたと思ったら、今度は「同級生が僕の陰口を言っているのが分かった」。学校の寮は相部屋で、ストレスがたまったことも。卒業公演では、主役に抜擢されながらも、足が炎症を起こし、ドクターストップ。舞台を降板する悔しさも味わった。

 14年1月、スイス・ローザンヌ国際バレエコンクールで、「白鳥の湖」の王子様などを踊って、6位入賞。モンテカルロ・バレエ団入団を果たす。「長身ぞろいなので身長175センチの僕でも、最年少で最小」

 ついにプロのダンサーとしてデビューした。3年間住んだ寮を出て、地中海の見える部屋を借りた。「狭いですが、バスタブがあります」と胸を張る。日本と違い、浴槽付きの物件が少ないヨーロッパだが、肉体を酷使するダンサーに風呂は欠かせないからだ。

 バレエを描いた名作映画「赤い靴」の舞台、モナコで、一国一城の主になった彼の滞在許可書は、学生身分から1年更新の労働許可書に変わった。踊り続ける限り、バレエの神様が守ってくれるだろう。 (小張アキコ)

 ■加藤三希央(かとう・みきお) 1996年1月2日、東京都生まれ。5歳で竹内ひとみバレエスクール(福島県)に入り、兄の大和(新国立劇場バレエ団ソリスト)とバレエを始める。2011年、全日本バレエコンクール1位。中学卒業後、グレースバレエ学校に留学。今年、ローザンヌ国際バレエコンクールで6位入賞し、モンテカルロ・バレエ団に入団。30、31の両日、ジャポン・ダンス・プロジェクト東京2014「クラウド/クラウド」(新国立劇場)に出演する。

 

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