先月24日に胆管がんで死去した女優、川島なお美さん(享年54)。1日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた通夜で、夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(49)は、川島さんに余命を伝えなかったことを明かし、女優であり続けることを支えた悲痛な思いを語った。
別れを惜しむかのように降り続ける雨。通夜には芸能関係者約1500人に加え、ファン約800人も参列した。祭壇には、ワインを愛した川島さんをしのび、世界最高級ワインの「ロマネ・コンティ」や故人の生まれ年(1960年)の「シャトー・マルゴー」などが並べられた。
喪主あいさつで「川島なお美は最後まで川島なお美のままでした」と涙をこらえながら語った鎧塚氏。会見では、治療や闘病の経緯を明かした。
「女房には余命を伝えなかったし、女房も知ろうとはしなかった」
川島さんは昨年1月に胆管がんの手術を受けたが、同年7月に再発。この際、鎧塚氏は医師から「1年もたない」と告げられたが、川島さんには伝えなかった。
抗がん剤治療は、副作用で舞台に立てなくなる可能性を配慮し、民間療法を選んだ。「抗がん剤を使わなかったのは、女優としての美学。悔いのない人生だったと思います」と亡き妻を慮った。
先月17日に舞台降板した直後、2、3日が峠といわれたが「それを乗り越え、2日ほどだが夫婦らしい時間を送れたのが楽しかった」と2人で過ごした時間をたどった。
戒名は「秋想院彩優美俊大姉」。なお美の「美」と鎧塚氏の名前から「俊」の文字を、そして女優の「優」が織り込まれた。