【知られざる海難1890秘話】トルコの文化観光大臣に「君はこの映画を撮れない」告げられ… (1/2ページ)

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2015.11.28


ギュナイ大臣(左)を訪問した田中監督(右)【拡大】

 1890年、和歌山・串本沖でトルコ軍艦が沈没した「エルトゥールル号海難事故」。1985年、イラン・イラク戦争で起きたテヘラン邦人救出劇。2つの出来事から日本とトルコの深い絆を描く「海難1890」(12月5日公開)は完成までに10年の月日がかかった。苦難の道を田中光敏監督の言葉でたどる。

 「トルコの協力がないとこの映画は完成できないと考えていました」と田中監督。日本国内では多くの企業が支援に名乗りを上げたが、それだけでは足りなかった。

 海難事故から120年たった2010年、串本町の田嶋勝正町長、仁坂吉伸・和歌山県知事とトルコへわたった。トルコでエルトゥールル号の事故を知らない人はいない。3人はトルコで歓待された。「プレゼンしたら、誰もが涙を浮かべながら話を聞いてくれた」

 しかし、大きな壁が立ちはだかった。当時のトルコの文化観光大臣からはこう告げられたのだ。

 「今、出せる予算は20万ドル。そして2国の合作の場合、トルコのルールではトルコの監督が撮影しなくてはならない。君はこの映画を撮ることができないということだ」

 撮影できないとの言葉にがく然とした。だが大臣は続けた。「ただ君がラッキーなのは私の名前が“エルトゥールル・ギュナイ”ということだ」

 希望が見えた。さらには「何かしてほしいことはないか」と願ってもない言葉も。「日本に親書を出してくださいって頼んじゃいましたよ」

 11年、トルコの文化観光省が後援に名乗りを上げた。「大臣から『君が撮れるようになったぞ』と言われました。法律を変えてくれたんです。そしてトルコ側の予算は700万ドルになりました」

 

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