「君の名は。」とアナログ感がシンクロする「ボーンフリー」

2016.10.06

筆者が関わった懐かしの「恐竜探検隊ボーンフリー」はDVD化されている
筆者が関わった懐かしの「恐竜探検隊ボーンフリー」はDVD化されている【拡大】

 「なべになった鐘(かね)」という絵本がある。

 東日本大震災で被災し、お寺の裏山に逃げ延びた住民たちが、残っていた寺の鐘で、「これをなべにしておかゆを炊こう」と助け合った。その実話を「多くの子供たちに読み聞かせて、津波の教訓にしたい」と宮城県石巻市の元教員、堀米光子さんが地元で自費出版してクチコミで通販での購入が広がっている。

 整体師の長男がイラストの下書きを担当した。ちょうど、私も先月、「病める海のまち・闇」(展望社)というノンフィクションを出版し、“人災”といわれる石巻の小学生たちの津波被害などの問題を糾弾する本を出したばかりで、強く心を打たれた。

 そうした中、私は別れて暮らす一人娘にすすめられ大ヒット中のアニメ映画「君の名は。」を見て、大いにシビレた。

 映画で描かれる男女の高校生の切ない出会いと別れには、行間にあの震災で、われわれが味わった人の絆の大切さが投影されている。舞台となった飛騨地方には日本古来の風習が色濃く漂っている。人間の営みの対比として描かれる大宇宙の美しさと合わせて、すんなり心に刺さる。

 「どうせ若者向けのアニメだろう」と尻込みする人もいるだろうが、一度見てほしい。まるで宮沢賢治の世界のようでもあり、私たち団塊世代の“SFファンタジー絵本”でもあった。

 私も玩具のトミー(現タカラトミー)勤務時代に、円谷プロ制作のアニメ「恐竜探険隊ボーンフリー」(1976年)に関わったことがある。実写特撮を取り入れた当時としては斬新な立体アニメだった。

 「君の名は。」には、そうしたアナログ感がある。石巻の絵本と同様に、手作りの息づかいが見える作品は世代を問わずウケるのだ。 (出版プロデューサー)

 ■高須基仁の“百花繚乱”独り言HP=「高須基仁」で検索

 

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