彼女たちはスターになっていくが、女として日増しに進化したのは百恵だった。大人の女に進化する過程を楽曲で表現していった。ぽっちゃり娘が徐々に美しくなるのを目のあたりにした。そのあたりの読みがまるでできなかった。
後年、3人はそれぞれの道をたどるが、少女から大人の女性、結婚、引退となった百恵は実像と虚像を歌に反映しながらスターの幕を閉じた。
僕はオーディションをする側になるが、今が旬のものと、時間を掛けながら大成していくものとの見極めをしっかりすることが大事だと教えられた。経験、年齢を重ねて見えてきたものがある気がする。
■篠木雅博(しのき・まさひろ) 徳間ジャパンコミュニケーションズ顧問。1950年生まれ。渡辺プロダクションを経て、東芝EMI(現ユニバーサル)で制作ディレクターとして布施明、アン・ルイス、五木ひろしらを手がけた。徳間ではリュ・シウォン、Perfumeらを担当した。