小雪さんからの豪華プレゼントに感激!スタッフ全員に…

森田芳光の「わたし出すわ」(1)

2009.10.26


映画撮影中も気配り万全だった小雪【拡大】

 「わたし出すわ」という映画は、東京で大金を手に入れた主人公・摩耶(小雪)が、高校時代の友達に夢や希望を叶えるための資金を差し出す話です。もちろん、そこにはミステリアスな人物やサスペンスな展開が…。ともかく、それを監督した森田芳光です。

 取材で「大金をあげるといったら、監督だったら何に使いますか?」と何度も聞かれるのですが、「もちろん映画に使います」と答えます。そうですよね、たまにふざけて「競走馬を買います」と言う方がウケたりもするのですが。今回、この連載で、映画でもなく競走馬でもなく、大金を何処に使ったら環境や経済がよくなっていくだろうと自分の考えを述べてみたいと思います。

 ま、大金とはいかなくてもプレゼントで考えてみてください。何を贈るにしても、相手のことを知ってあげないと。僕なんかはバレンタインの時にビターなチョコレートなんてもらうと義理チョコ以上に腹が立ちます。ホワイトチョコレート好きなので。

 函館の撮影の時、主役の小雪さんが、役の摩耶としてではなく本人として、僕らスタッフにあるプレゼントをしてくれました。まさに小雪さんの『わたし出すわ』です。「今日の昼ごはんは、小雪さんからでーす」。スタッフの大声とともにそこに出現したのは、豪華なケータリングでした。

 それも、スタッフに味の好き嫌いがあるだろうからと、魚、肉、野菜とチョイスできるメニューになっていたのです。それはメーン料理だけでなくスープにも徹底されていました。もちろん、スタッフには大好評!

 驚いたのは、まんべんなくそれらの種類が食べ尽くされたことです。事前にスタッフ50人ほどの好き嫌いを調べたのかと思うほどです。

 そこまで主役にやられると僕も黙ってはいられません。撮影が遅くまでかかる夜食の手配、製作部が僕に聞きに来ます。「何にしましょう?」「ハセガワの焼き鳥弁当いってみる?」

 函館を熟知している僕のアイデアです。「わかりました」と製作部。「タレじゃなくて塩ね」と僕。「塩ですね」。

 焼き鳥と言っても豚なのですが、この塩が絶品。それを楽しみに僕らは残業していました。そして「夜食はいりまーす」の声。

 楽しみに弁当をあけると塩ではなくタレ…。間違われてはプレゼントも台無しと言うわけです。(映画監督)

         ◇

 森田芳光監督が13年ぶりにオリジナル脚本で挑む31日公開の「わたし出すわ」。映画の撮影秘話に加え、森田監督の独特の視点で、カネまみれの現代ニッポンを一刀両断します。

 

注目情報(PR)