【悼 Memory】加藤和彦さん “パーティー”のようなきらびやかさで「KKミーティング」

2009.12.17


音楽プロデューサー・加藤和彦さんをしのぶ「KKミーティング」【拡大】

 10月に死去したミュージシャン、加藤和彦さん(享年62)を偲ぶ会が10日、都内のホテルで行われた。いっぷう変わった会だった。祭壇はなく献花などもなく、会場には生前の華々しい活動を写したパネル写真が飾られ、懐かしい映像が繰り返し流されていた。おいしい料理とワインが所狭しと置かれ、さながら“パーティー”のようなきらびやかさだった。

 「KKミーティング」と題された偲ぶ会の発起人、北山修氏は「遺書には偲ぶ会はやるなと書かれていたが、加藤は約束を破ったのであえてやります」とユーモアと皮肉をこめて挨拶をした。北山氏によると、加藤さんからの遺書は亡くなった翌日に着いたという。

 「北山君、約束を破ってごめんね」という書き出しだった。約束はふたつあって、ひとつは来春にザ・フォーク・クルセダーズをもう一度再結成してコンサートをやるということ。もうひとつは「死なない」と約束していたこと。ふたつのことを約束しておきながら加藤さんは破ってしまった。だからこそ「あいつはバカヤローなんだ」と北山氏は言うのだ。

 訃報に接したとき私は信じられなかった。なぜならば、加藤さんはミュージック・シーンの最先端で活動、常にアーティスト仲間に刺激を与え続けてきた。その意味で、彼の存在がなければJポップの今日の隆盛はなかったと言っていい。

 自分の音楽に対する絶対的な自信、二度と同じことはしないで最先端の音楽をやり続けるというプライドを持った彼は、それゆえに孤高のアーティストだった。何十回と取材をさせていただき、彼ほどプライドの高いアーティストを私は知らない。それだけに自殺など想像もできないのである。

 アマチュア時代からの盟友、杉田二郎も、大分県の高校生だったときにフォークルに刺激を受け「よし、俺もやろう」と思ったという南こうせつも「信じられない。悔しい」と言うばかりだった。参列した吉田拓郎、ユーミン、伊勢正三、尾崎亜美、木村カエラ、坂崎幸之助、高橋ユキヒロ、奥田民生なども思いは同じだったに違いない。

 ラストは加藤さんの代表曲「あの素晴しい愛をもう一度」を参列者500人で大合唱。加藤和彦さんは亡くなっても、彼が残した名曲の数々は永久に不滅です。合掌。(音楽評論家・富澤一誠)

 

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