 早くも反響が大の「電車男」 |
秋も深まり、読書シーズン到来。話題に乗り遅れないよう流行本を追いかける人もいれば、趣味の本を吟味する人も。そんな中、インターネットの掲示板から出現した異色の小説が22日発売されたが、これが発売前から予約殺到、初版予定の4倍以上に増刷するなど注目を浴びている。そのワケとは−。
本のタイトルは「電車男」(新潮社)。インターネットの人気(?!)掲示板「2ちゃんねる」内での“会話”を文字通り、そのまままとめた恋愛小説だ。
“もてない君”が雑談するサイト内の「独身男性板」に今年3月、電車内で酔っ払いにからまれた女性を助け、お礼を贈られた「電車男」こと22歳青年が、彼女をデートに誘いたいと書き込んだのが事の始まり。仲間たちが、食事の誘い方やファッション、せりふをネット上でアドバイス。その成果報告にみんなで一喜一憂する…。
2ちゃんねるといえば、大事件が起きた際のプライバシー暴露や事件予告、誹謗(ひぼう)中傷などネガティブなイメージが際立つが、この物語は、もてない電車男と、彼を必死で応援する仲間たちの信頼関係で成り立っている。
掲示板で分散していた書き込みを、有志が物語にまとめたところ、なんと出版7社がオファー。今年6月、半角文字や記号を組み合わせた絵「アスキーアート」を、“現物”通りに再現するという彼らサイト側の要望をクリアした新潮社が契約を結んだ。
「ネットに接続すれば読めるものをあえて書籍にしたのは、パソコンを使わない人にも読んでもらいたかったから」とは同社編集担当者。アナログ派を自称する同担当者の上司が、自宅で未完成原稿を読んでいると、息子が「へえーっ。あの『電車男』出すの?」と声をかけてきたとも。
初版1万2000部を予定していたが、予約が殺到。ネット専門店アマゾンの予約ランキングでも10位以内をキープし、急遽(きゅうきょ)5万部に増刷した。
書店店頭には発売前日の21日から並び、「この日だけで16冊売れた」(東京都豊島区のリブロ池袋店)、「いきなり、よく売れている」(大阪市北区のジュンク堂書店)という。
同担当者は「言葉や記号は現代風だけど、内容は昔ながらの愛と友情の物語。年配の方も『昔はこうだったなあ』と懐かしく読んでいただけるのではないか」と話している。
ZAKZAK 2004/10/23