オヤジギャルの生みの親で、『週刊SPA!』のOLゴルフ漫画「スイートスポット」などで人気を博した漫画家、中尊寺ゆつこ(本名・小林幸子)さん=写真=が31日朝、死去した。42歳だった。S字結腸がんだったという。早過ぎる死に、関係者は衝撃を受けている。葬儀・告別式は近親者だけで行い、お別れの会は後日、決めるという。
中尊寺さんのホームページには同日、「2005年1月31日午前8時45分、中尊寺ゆつこが永眠しました。今までのご声援まことにありがとうございました」というメッセージが掲載された。
出版関係者は「S字結腸がんだったようです」と明かし、「彼女は最近、トレンド漫画だけでなく、政治や経済をテーマにしたエッセーや講演にも活動範囲を広げていた。あまりにも若過ぎる…」とショックを隠さなかった。
中尊寺さんは昭和37年5月28日、東京生まれ。小学生のころから漫画を描き始め、テレビ番組で故・谷岡ヤスジさんに「天才漫画少女」と称された。中学までCMや雑誌のモデルを務めるなどしていた。
駒沢大法学部卒業後、1年間家事手伝いをしながら、ゴルフ修行。その後、本格的に漫画を再開し、昭和62年「ビジネスジャンプ」と「漫画アクション」で新人賞を受賞した。
平成元年に「お嬢だん」を出版、20万部を超えるベストセラーとなったほか、『週刊SPA!』でOLゴルフ漫画「スイートスポット」を連載。「オヤジギャル」という言葉を生み出し、2年には流行語大賞となった。
バブル時代を背景に「オヤジ」「OL」「会社」などをキーワードにして週刊誌などにエッセーなども多数連載。一方で、アメリカやヨーロッパ、中東、アフリカなどの海外へ出向いて情報収集する機会を増やし、5年から2年間、ニューヨークに移住したこともあった。
私生活では、10年7月、翻訳家で文筆業の小林雅明氏と結婚、12年に長女、15年に長男を出産した。一昨年には漫画でボランティア活動を紹介したり、昨年7月には、NHKの『英語でしゃべらナイト』に出演、30歳を過ぎてから、ニューヨーク生活で、英語をものにしたエピソードなどを披露していた。
政治経済からトレンド、ビジネス、カルチャーまで幅広くカバーし、主な著書に『ていうか、経済ってムズカシイじゃないですか』(日本経済新聞社)、『セレブ列伝』(廣済堂出版)、『アフリカンネイバーズ』(木楽舎)など。
【S字結腸がん】 左下腹部分にあり、大腸と直腸の間のS字になっている結腸。便をためる働きをし、食事などにより蠕動(ぜんどう)運動が起ると便が直腸に送られ排便が催される。がんになると、便に血が混じったり強い便秘やおなかが異常に張ったりするなどの症状が出る。
ZAKZAK 2005/01/31