 五能線に揺られ、女心を歌う水森。車窓の外に日本海が広がる |
演歌歌手、水森かおり(32)の新曲「五能線」(徳間ジャパン)が、昨年4月の「釧路湿原」に続き、2作連続でオリコンチャートベスト10に入った。女性演歌歌手の連続初登場トップ10入りは藤あや子(43)以来12年ぶりの快挙。
これまで東尋坊、鳥取砂丘、釧路湿原−と各地の景勝地をタイトルにした歌がヒット。今回も、秋田−青森の日本海沿いを走るJR線が舞台。「パワーのある大人の愛を、景勝地に込めて歌わせる」(景山邦夫プロデューサー)路線が今回もツボにはまった。
東尋坊のブレーク以来、作詞家の木下龍太郎氏(67、顔写真)と作曲家の弦哲也氏(57)のコンビによるヒットが続くが、いずれも木下氏がかつて実際に尋ねた地が曲のタイトルになっている。
「五能線」は、木下氏が4年前に乗って感動し、別れた男の思いを胸に納めて、みちのくをひとり旅する女心を描いている。
こうした作品を生む木下氏はどんな人生を歩んできたのか。
「母校の先輩が作詞家の船村徹先生で、僕も音楽の道に進みたい、と20歳でこの道に。それだけでは食べていけず、化粧品会社のコピーライターやラジオのDJの原稿も書きました」という。
「鳥取だけにおっとり」などダジャレ名人で知られる木下氏だが、名勝地をタイトルにするにもわけがある。
「37歳から化粧品会社の総務部長をやってまして、セールスレディーのスカウトのために地方に行くことがあったんです。免許がなくて、移動は列車でした。あちこちの土地で居酒屋に飛び込んだりするうち、詩が固まってきたんです」
53歳で作詞家に専念。ストレートなタイトルで情景が目に浮かぶ、“木下ワールド”が完成した。
水森は「いかにも人のいいオジサンなのに、どうしてこんなロマンチックな詩が浮かんでくるのかしら(笑)。弦先生のメロディーと合わさってさらにダイナミックになるんですね」と感謝。
新曲のキャンペーン先では、会場から人があふれるほどの盛況だったが、この盛り上がりが地道に積み重なって大ヒットになったようだ。
7月から全国で10周年記念コンサート。9月25日東京・日比谷公会堂(問合わせは、エイ・アンド・アイTEL03・5772・2057)
ZAKZAK 2005/04/15