女子中学生の変身ヒーローが活躍し、人気のアニメ番組「ふたりはプリキュア マックスハート」(ABC・テレビ朝日系、日曜朝8時半)。16日から劇場版が公開されたが、作品を手がける東映アニメーションの製作陣トップは少女アニメ初挑戦に加え、プロデューサーの鷲尾天氏(39)=顔写真=は元報道記者という異色の人物だった。
プリキュアは昨年2月に放映開始。2人の中学生が変身し、闇の世界の敵と戦う物語。歌手の工藤静香さん(35)が声優として参加している劇場版は前売り券が15万枚も売れた。
鷲尾氏は「キン肉マンII世」、シリーズディレクターの西尾大介氏(46)は「ドラゴンボールZ」を手がけてきた。だが、2人とも少女アニメは初挑戦で、学校生活の描写は悩んだという。
「一番の問題が制服のデザイン。市販の制服図鑑をスタッフと一緒に片っ端から読んで研究した」と鷲尾氏。「ローティーン向けのファッション誌も参考にしたが、最近の11−12歳のモデルの子の大人っぽさには驚いた」とも話す。
「活発」「おしとやかだが芯が強い」という設定の2人の主人公。キャラクターの違いを上着の開き具合などで強調させるため、制服はブレザーに。色は上着をコーラルレッド、スカートを格子模様にし、女の子があこがれと親しみを感じられるものにした。
主人公が熱中するラクロスも、女子大生の試合を観戦。選手にもインタビューし、スティックの動かしなど方を研究した。
こうした緻(ち)密(みつ)な取材は鷲尾氏の前職と無関係ではない。実は、鷲尾氏は秋田朝日放送で報道記者を7年間務めていた。
秋田県知事が辞任した公費不正支出問題、女子高生の援助交際も取材し、少女らを「直撃」したこともある。「まさか女の子向けアニメを作るとは夢にも思っていなかった」と笑う。
映像制作への関心が強くなり、平成10年に東映アニメに入社したが、記者経験はすぐ発揮された。アシスタント・プロデューサーを務めた「金田一少年の事件簿2 殺戮(さつりく)のディープブルー」(平成11年)での描写は事件取材で得た知識が生かされたという。
プリキュアは玩具など関連グッズが爆発的に売れ、ベストセラー「電車男」にも登場する。
鷲尾氏は「小さな女の子に、誰よりも楽しんでもらいたい。だから主人公の水着のシーンはないし、派手なアクションシーンでも下着は見えないようにしている」と話している。
ZAKZAK 2005/04/16