 映画「戦国自衛隊1549」 |
平成の自衛隊が戦国時代にタイムスリップし、歴史を変えようとする映画「戦国自衛隊1549」(手塚昌明監督)が11日公開。1979年に半村良原作、千葉真一主演で映画化されたが、今回は「亡国のイージス」の人気作家、福井晴敏さん(36)=顔写真=が設定をそのままに、原作を新たに書き下ろした。破天荒なエンターテインメントというだけでなく、日本や自衛隊に突きつけられる現実をも考えさせる作品に仕上がった。
小学生のころから、東京・浅草の映画館に入り浸っていたという福井さん。当時全盛の「角川映画」の洗礼を受けた世代だが、今回の製作の一社が新生・角川映画だ。
「角川らしい、お祭りっぽい作品として楽しめる」と感想を話すが、実は原案となった半村作品を読まずに、今回の原作を書き上げた。
「基本のアイデア以外はオリジナルです。子供のころは歴史上の人物の名前をおぼえられなくて、今回初めて戦国時代のことを一から勉強しました。過去から時間軸をさかのぼるのは、『終戦のローレライ』(3月公開)の時と同じ。今回、自衛隊の全面協力を得られた分、スケジュールはタイトでしたが、1カ月足らずで書き終えた」
映画は、陸上自衛隊の秘密実験中に、的場1佐(鹿賀丈史)率いる部隊が1549年にタイムスリップ。歴史をリセットしようとする的場らにより、現代世界が侵食されはじめ、神崎2尉(鈴木京香)や的場の元部下で、居酒屋の店長となった鹿島(江口洋介)らが、戦国時代に送り込まれる姿を描く。
「タイムスリップという大ウソを描くことを、どう考えればいいのか。これは、自衛隊がイラクに行くのと同じ、と考えました。自衛隊は決して先制攻撃はできない、イラクでも攻撃しない。その感覚です」
痛快なエンターテインメントだが、戦国時代の人間を殺すな、と苦悩する平成の自衛隊員の姿はまさに日本の現実。
7月30日に公開が控える「亡国のイージス」(阪本順治監督)では、このあたりがもっとリアルに描かれている。
「戦国−は、自衛隊が置かれている状況を考える入門編と考えてもらってもいいですね。全体的には親子で見られるジュブナイル(少年小説)的な味わい。見終わった後に、いろいろ語り合ってほしい。それが映画を見る楽しみだと思います」
自身は、忙しい日々で、「映画に行く時間がないのが悩み」とこぼしていた。
ZAKZAK 2005/06/09