東京国立近代美術館フィルムセンターは24日、旧満州のスターだった李香蘭(山口淑子)さんが出演した映画「萬世流芳」(1942年)などの貴重なフィルムを発掘、7月から企画上映すると発表した。
「萬世−」は戦時下の上海で、旧満州の国策会社だった満州映画協会(満映)などが製作。戦後は日中両国でほとんど上映されていない“封印された映画”とされる。
アヘン戦争の英雄、林則徐の活躍を描いた長編時代劇で、李香蘭があめ売り娘を演じたほか、当時の中国人トップスターたちが出演。戦時中に中国と日本で公開されてヒットした。
満映の映画は、日本の植民地政策の宣伝に大きな役割を果たしたことで知られる。旧満州で生まれた山口さんは李香蘭の名前で満映から女優デビュー。日本人でありながら中国人女優として人気を博した。
同センターの常石史子研究員は「歴史のはざまで行き場のなくなった映画といえるが、作品自体に政治色はあまりない。李香蘭の歌や演技を含め、歴史大作として楽しめる」と話している。
同作品は、関東大震災直後に撮影された映像や、人気漫画「サザエさん」の初の実写映画などとともに、7月19日から始まる同センターの企画「発掘された映画たち2005」で上映される。
ZAKZAK 2005/06/25