来月、DVDがリリースされる「透光の樹」は、高樹のぶ子さんの原作を根岸吉太郎さんが監督されたものです。
金沢の南郊にある鶴来町というところを舞台に、25年ぶりに出会った男女の純愛を濃密に描いています。
私がヒロインの千桐を、永島敏行さんが、がんに侵されながらも愛を貫こうとする郷を演じています。
すごくよかったですって? ありがとうございます。昨秋、劇場公開されたんですが、ご覧になった方からは「やらしい」とか「ドキドキしながら見た」なんて言われましたが、その上に「泣ける」作品ですよ。だから、2度おトクなの。
ええ、確かに大胆なシーンが多かったですね。
体がきれいだったなんて、うれしいこと言ってくださるけど、これもみなさんのご協力と本人の修練の賜物…かな。
純愛のセクシュアルドラマなわけですが、千桐が追い込まれていくように見えちゃいけないわけですよ。まあ、不倫関係なんですが、あれは犯罪じゃないですからね。演ずる立場からいえば、ハードに見えないところがハードだったということかしら。
千桐はすごく地味な普通の女。男を誘うなんてところはまったくないんだけど、彼女の中の感情を抑えて、抑えて演じましたよ。火が噴いちゃわないようにね。でも、彼女の中には、おき火のようなセクシュアリティーがあるんですよ。
根岸さんとは、「ひとひらの雪」(85年)以来のお仕事だったんですが、監督は演出は繊細なんだけど、撮る映像は大胆な方。彼が持っている女性像というのは理解していましたから、その点はスムーズでしたね。
でもね、今同世代でこんな恋愛ドラマをやる人はいないわね。うーん、海外だとシャーロット・ランプリングくらいなんじゃないですか。
自然に見えるって? そうですよ、普通に見せるっていうくらい普通じゃないことはないですよ。それが一番大変。
ラブシーンは、どういうポーズならきれいに見えるか、主人公の感情とどうコンビネーションをとるか…と考えるんです。
全部を考えながら、それでいて何も考えてないような解放感がありましたね。それも、独りよがりにならず、見るお客様に届いたという自覚もあります。ズレたところがない瞬間を感じました。
そういうのって、熊井啓監督の「深い河」(95年)以来でしょうか。
=つづく
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あきよし・くみこ 1955(昭和30)年2月24日、静岡県生まれ。福島県立磐城女子高(現・磐城桜が丘高)卒業。73年製作の「十六歳の戦争」(松本俊夫監督)が映画デビュー作。主演した74年の「赤ちょうちん」(藤田敏八監督)の鮮烈なヌードが評判になり、青春トップスターとなる。“シラケ世代”を代弁するような言動でも注目された。79年3月に作曲家、岩久茂氏と結婚、同年7月に長男を出産。妊娠発表時には「たまごで生みたい」の“名言”が話題になった。その後、離婚を経て大人の女優として成長。代表作に映画「異人たちとの夏」、NHKドラマ「夢千代日記」など多数。
ZAKZAK 2005/07/02