女優、大空眞弓(65)=写真=が、自らの“多重がん”の日々を『大空真弓、「多重がん」撃退中!』(宝島社、大谷克弥、大野秀樹監修)=同左=で告白している。4度にわたるがん早期発見→処置の繰り返しを「モグラ叩き」と呼ぶなど、天性の明るさで乗り切る様子は、多くの人に勇気を与える。
多重がんとは、転移でなく、それぞれ原発性のがんが次々と発生するもの。大空は1998年11月に告知された乳がんに始まり、2度の胃がん、03年7月に食道−と約5年で4度も体験。
いずれも人間ドックの検診で発見、初期のため自覚症状はほとんどなかったという。
「食道のときは相当大きくて、食べるときにつかえたはずって言われたけど、もともと食が細かったから…。検診は多くても年に2回、行かなかったこともあるし、タイミングがよかったのよね」と振り返る。
ただ、乳がんでは左の乳房を切除、胃がんでは粘膜切除のため、潰瘍(かいよう)で入院が長引き、食道がんでは内視鏡による分割切除が前後6回に及ぶなど、聞いているだけで治療の苦しみが伝わる。
「一度引き受けた仕事をおいそれと休む訳にはいかない」と仕事をしながらの入院生活に。
それでも天性の明るさを発揮。乳がんの手術痕に「鮮やかな切り方ですねえ。畳職人みたい」と評し、食道がん後、「好きな親子(丼)が(口に)入んなかったのがつらかったぁ(笑)」。
何より、「私はがんにはなるもの、あとはどこに出るかって思ってた。モグラ叩きみたいよ。どこでも来いって感じ」という考え方。というのも大空は、29歳で胃がんで亡くなった姉のほか、両親、異母妹もがんを発症し、自分も…という覚悟があったという。
著書では、この家族にも触れている。2児のいる人妻だった母と強引に結婚した父は、後に二号、三号まで囲ったが、母と2人の女性は仲良く行き来し、母は死ぬ間際、2人に後を託したとか…。
「何でもあり、でしたね。だから(芝居の)台本を読んでもあんまり驚かないの。おかげでクヨクヨしないかな」
がんには「とにかく早期発見。なったときは、なぜ私が? って振り返らず、そこから道を切り開かなきゃ。悶々としてたら、もっと悪くなる」という心構えだ。
すでに自身の葬儀(玉子葬)も計画済み、便箋(びんせん)に認(したた)めた「遺言」もあるというが、11月の明治座「細雪」など舞台出演もめじろ押し。 大空のがん撃退は続く。
ZAKZAK 2005/09/06