ニュースステーションはじめサッカー番組で熱いサポーターぶりを発揮していましたから、“サッカーの人”と思われる方も少なくないようですが、僕のメインジョブはアクター。もっとも、テレビより舞台が多く、年に4−5本、それも、ほとんどがミュージカル。
7日までは東京・六本木の俳優座、10日からは銀座の博品館で「フロッグとトード」というミュージカルをやります。ブロードウェーでトニー賞にノミネートされた作品で、仲良しのガマガエルとアマガエルが出てくるのですが、僕はガマガエルのトード役。音楽あり、ダンスありの楽しいコメディーですが、イジメなんかもあったりして、社会風刺も利いているクオリティの高い作品。ぜひ親子で見ていただきたいですね。
この道に入る前、サッカーでプロを目指していたころもあります。でも、大学3年のときに監督から戦力外通告を言い渡されてしまった。「プレーヤーとしてはもうダメ−」とひどく傷つき、大きな挫折を味わいました。
立ち直れないと思っていた僕が、ダンスと出合え、そこに新しい目標を見いだせたのはすごくラッキーでした。初めは、バックダンサーで舞台に立っていたんですが、27−28歳ぐらいのとき、宮本亜門さん演出の一人芝居にチャレンジする機会を得たんです。
とにかく稽古が大変で、言われた通りにやってるつもりなんだけど、“クサイ”とか“ここで涙はいらない”とか言われ、自分でも何をどうしていいかわかんないぐらいに追い詰められた。
ラッパ吹いたり、タップを踏んだりっていう身体で動いて見せるシーンは得意でも、心情的に見せるシーンがどうやってもダメだったんです。
舞台はなんとか乗り切ったものの、1カ月間、朝起きて劇場へ向かうのが、嫌で嫌で、何度逃げようって思ったか…。
それまで、勢いやノリで“けっこうイケてるかな”と思っていたのが、そこで、自分の限界−引き出しの少なさを思い知らされました。
そこで、ボイストレーニングはじめ、さまざまなレッスンを受け、演技力を身につける努力を重ねました。そして、ただ勢いだけじゃなく、ここは動かなくてもいいんだ、セリフを言うだけでいいんだっていう、そんな感触を感じられるようになったんです。それはほんと30も半ば過ぎてからですかね。=つづく
■かびら・じえい 1963年9月23日、沖縄県生まれ。沖縄出身でアナウンサーの父と、米国人の母の間に三男として生まれる。8歳でサッカーを始め、読売ユース時代に全国制覇。プロを目指すも断念し、上智大学在学中にミュージカル俳優としてデビュー。DJのジョン・カビラは兄。
ZAKZAK 2006/05/01