 中年男がアニメ映画に涙…。40代のサラリーマンにとっては83年に大ヒットした原田知世さん(38)の主演作でおなじみの「時をかける少女」がアニメ版で蘇り、予想外の反響を呼んでいる。東京都新宿区の「テアトル新宿」には、連日行列ができている。それは、なぜ? |
中年男性が、アニメを見て映画館で号泣−。公開中のアニメ映画「時をかける少女」(筒井康隆原作)が意外な評判を呼んでいる。そのワケは…。
「時をかける少女」といえば、83年に原田知世(38)主演で大ヒットしたことご記憶の方も多いはず。会社帰り、上映館内の東京・テアトル新宿などに並ぶサラリーマンには、40−50代が多いという。最近のアニメでは異例の現象だ。
7月15日の封切り以来、クチコミで浸透。映画宣伝を担当する角川メディアハウスの藤田美樹さんは、「東京では当初、単館上映予定だったが、平日でも立ち見が出るほどの反響で、拡大上映することになりました」と語る。
今回のアニメ版は、「原作をベースにしながら、さらに話を広げた脚本が秀逸」(アニメ作家)というのが人気のヒミツ。物語は、主人公の女子高生が踏切事故をきっかけに、タイムリープ(タイムスリップ)する能力を身につけたのに気づくことから始まる。
起きてしまったことを過去に戻って、無かったことにしてしまえる力を得た少女と同級生たちが繰り広げる青春ストーリー。
 新作は芳山和子の姪・紺野真琴がヒロイン |
83年版で、原田が演じたヒロイン・芳山和子は、思わぬ能力に翻弄される控えめなキャラクターだったが、今回のヒロインはその姪・紺野真琴。突拍子もない力に戸惑いつつも、前向きに立ち向かっていく活発なキャラクター。単なるリメイクではなく、「あれから20年後」を意識した心憎い味付けだ。
「主人公の恋愛がとっても健気で不器用。思わず青春時代に引き戻されて、俺も昔こうだったなぁと重ねたりして、ちょっと恥ずかしいような、甘酸っぱい気分にどっぷりと浸っちゃいました」と若々しい感想を述べるのは50代会社員。
 知世ちゃんが演じた芳山和子も、オバサンになってアニメに登場する |
「仕事を終えて来られる方が多く、最終回の客足がぐっと伸びますが、日中でもフラリと立ち寄られる会社員も実は少なくないですね(笑)」とは、テアトル新宿支配人・岩崎申也さん。
監督は、アニメ界新進気鋭の細田守氏。細田監督は、マスコミの取材に、「筒井先生がどう思うか心配でしたけど、『これは正当な2代目』とお墨付きをいただきました」語り、評判も上々だ。
映画ライターの安保有希子さんは、「絵もキレイだし、それぞれのキャラクターもよく表現されている。ストーリー展開、クライマックスへの持っていき方など、どれをとっても完成度が高い。『原田知世版』を見た世代にしか分からない伏線も要所要所にある」と話す。
東京では、12日からテアトル池袋(レイトショー)、26日からシネセゾン渋谷と拡大。大阪ではテアトル梅田で公開中。
ZAKZAK 2006/08/10