 再来年の北京五輪(左、AP)と夏の甲子園は同時間帯。NHKは地上波でどちらを放送する? |
夏の甲子園がテレビで見られない? 日米高校野球も終わったが、再来年の甲子園はつらい夏になるかもしれない。大会日程がまるまる北京五輪と重なり、両方とも放送したいNHKは放送枠がパンク必至。大会を主催する朝日新聞社との微妙な関係も、混乱に拍車をかけそうな気配なのだ。
「2008年の大会の開幕は、地方大会の日程の都合もあり、例年通り、8月上旬を予定しております」
朝日新聞社と日本高野連で構成する「全国高等学校野球選手権大会」、いわゆる夏の甲子園の大会本部は、再来年も例年通り、8月上旬から約2週間の日程で大会を行う意向だ。
しかも90回記念大会にあたるため、大会本部も出場枠やイベントなど「何か記念になる企画を検討する」が、よりによって強大なライバルが待ち構える。同時期、中国・北京で夏季五輪が8月8−24日の日程で開催されるのだ。
甲子園と五輪、この2つの国民的行事は、不思議とこれまでバッティングしたことがなかった。甲子園が始まる8月上旬に五輪が閉幕するか、甲子園が終わる8月下旬に五輪が開幕するケースが多く、仮に日程が重なっても時差が救いになっていたからだ。しかし、北京は時差も1時間。予選を含めると競技時間が重なるのは間違いない。つまり、未曾有の事態が迫っているわけだ。
「甲子園ファンの期待には応えたい。でも公共放送として五輪も地上波で生中継しないわけにはいかないだろう」と困惑するのがNHK関係者。
NHKは例年、総合と教育の2つのチャンネルを切り替えながら夏の甲子園の全試合を完全生中継してきたが、再来年については「全試合を生中継できるかも含めて、まだ何も話せる段階にない。主催は朝日新聞さんですし…」(NHK広報部)と歯切れは悪い。
一方の大会本部も甲子園の「中継については何も決まっていない」。
「甲子園の時間帯は五輪を民放に任せる手もあるが、受信料から100億円以上を払って五輪の放映権を買うだろうし、大事な試合をすべて民放に渡すのはどうか」とは別のNHK関係者。特に朝日新聞系列のテレビ朝日とは、前回のアテネ五輪でのしこりもある。
民放が地上波で女子マラソンを放送した際、NHKも地上波デジタルで放送したことに対し、朝日新聞出身の広瀬道貞・テレビ朝日社長(現会長)が「民放側が拒否したのに実施した。北京五輪を控え、大問題になる」と怒りを表明しているのだ。
さらにNHKの従軍慰安婦を扱った特集番組について、昨年1月朝日新聞が、安倍晋三官房長官と中川昭一農水相が放送前に圧力をかけて内容を改変させたと報道し、NHKが真っ向から否定している。両巨頭の関係は冷え込むばかりだ。
主催者として「社のメンツにかけても90回大会は成功させたい」(関係者)という朝日新聞と、NHKとの冷戦の間に立たされる夏の甲子園。受信料を払うファンにとって、最良の結論が出ることを期待したい。
ZAKZAK 2006/09/07