 相次ぐ不祥事をよそに、受信料徴収で強硬手段に出たNHKには大ブーイングがわき起こっている |
NHKが来月にも都内の受信料不払い世帯に対し、簡易裁判所を通じて督促を行うと表明した。約112万件の支払い拒否に対し、督促するのは48世帯のみ。明確な対象基準も示さず、NHKは範囲を広げていく方針。強引な取り立てに識者からは「見せしめ」「弱い者いじめ」と激しい反発の声があがっている。視聴者の記憶から、一連の不祥事の印象が薄れつつある隙をついての「抜き打ち」は許されない。
元NHK職員で、椙山女学園大客員教授の川崎泰資氏は「払っている人との公平性を保つために督促するというが、わずか48件では未払い者同士の公平性はどうなるのか」とごもっともな意見。「NHKはいまだ視聴者への不信感を払拭(ふっしょく)できていない」と厳しく注文を付ける。
作家の麻生千晶氏は「不払い世帯は従順な視聴者だった。そんな人たちが不祥事に怒って立ち上がった。受信料といいながら、NHKは別会社をつくり、しこたまもうけている。多くの利権団体と結びつくなど、いかがわしいことは山ほどある」と切って捨てる。
あまりにも少数の世帯に強制的な督促が行われることに麻生氏も怒り心頭で、「これはみせしめで一種のリンチ。放送法に罰則規定はないので払わなければいい。逆提訴しても裁判で勝てるでしょう」と徹底抗戦を勧めている。
夕刊フジで「カバチ六法」を連載している行政書士の田島隆氏は「弱い者いじめでしかない。視聴者が裁判について詳しく知らないということを見越した、ダーティーな手法だ」と断罪する。
ところがこの強硬手段には“欠陥”がある。「未払い者が異議申し立てをすると、正式な裁判になる。そうなれば債務者の住所地の裁判所が管轄になるのだが、NHKは全国で裁判をする気なのか」。
NHK勝訴でもハードルがある。「未払いが続けば差し押さえをするしかないが、家屋敷を競売にかけるとしても1年半から2年ぐらいは手続きにかかる」というのだ。
こうしたことは現実には非常に費用がかかる。「それを考えてもそんな費用があるなら、受信料値下げの原資にして国民の理解を得るべきだ」と話している。
ZAKZAK 2006/10/06