 12日の終値ベースで楽天の時価総額を上回ったTBS。楽天の三木谷浩史社長(右)も頭が痛い!? |
インターネット商店街最大手の楽天が、在京キー局のTBSに経営統合を迫ってからきょう13日で1年がたった。両社は1月に業務提携交渉を始めたが、いまだにまとまっていない。提携交渉も保有するTBS株も塩漬けとなる中、楽天の株価はこの1年で半分以下に落ち込んでいる。反転攻勢に打って出る原動力すらない同社は、出口の見えないトンネルの中でもがき苦しんでいる。
【膠着状態】
両社の業務提携交渉のテーマは「インターネットでの番組配信」と「テレビと連動した電子商取引」。両社幹部は「20前後の具体案が出てきた」と明かす。
しかし、「統合提案は敵対的買収」と警戒するTBSは、楽天が株を手放し、経営統合を断念しないかぎり、業務提携を進めるわけにはいかないとの立場だ。
楽天社内には「株への投資資金を回収して新規事業に備えるべきだ」とする柔軟派も存在するものの、三木谷浩史社長(41)が継続保有を主張しているとされる。
仮に売却を選択したとしても、銀行から約1100億円を借りて買い集めたTBS株の株価が取得時より下落しているため、現状で約150億円もの含み損が発生。株を売れる状況にない。TBSが株を買い戻すにしても、900億円近い銀行借り入れが必要になるとされ、こちらも難しい情勢だ。
【楽天以外と提携】
「(三木谷社長の)顔もみたくない」−。TBS社内には三木谷氏の強引な手法に対する反発が今も根強い。経営戦略上も「特定企業と組むより幅広い業種の企業と提携する方が効果的」(TBS幹部同)として、楽天とのつながりを薄めたいのが本音だ。
実際、TBSは4月に民放各社や電通と共同で動画のネット配信会社を設立。レンタルビデオチェーンのカルチュア・コンビニエンス・クラブや家電量販店のビックカメラなどともネット分野で提携した。楽天の入り込む余地を狭めるTBSの「楽天封じ」ともささやかれる。
【株価急落】
楽天にとってライブドアや村上ファンドの証券取引法違反事件は大きな打撃になった。「ネット企業に対する不信感や成長鈍化への懸念」(楽天幹部)によって、楽天の株価は経営統合を迫った昨年10月13日の8万6600円から3万8300円に急落。株価に発行済み株式数をかけ合わせた時価総額はこの間に、約1兆円から約4982億円に減っている。
一方、TBSの時価総額は約7087億円から約5048億円に。いつの間にかTBSが楽天を上回ってしまい、楽天の提案は小が大を飲む統合に変わってしまった。
ある外資系証券会社のアナリストは、TBSに統合を迫った三木谷社長の手法を「性急すぎた」と批判、「(含み損を)損切りしてでも手を引くべきだ」と指摘する。
楽天は先ごろ、昨年買収した国内信販(現・楽天KC)の一部事業譲渡に伴い、186億円の特別損失が発生すると発表した。すでに発表したネット銀行設立の計画や、電子商取引の世界展開など、今後の戦略も停滞している。
楽天の苦境を映し出すように、同社の株価はここにきて連日で安値を更新する展開となっている。
ZAKZAK 2006/10/13