東宝が豊作に沸いている−。
今年の作品は「ゲド戦記」「LIMIT OF LOVE 海猿」「THE 有頂天ホテル」「日本沈没」と次々とヒットに恵まれ、11月までの興行収入が559億5000万円。12月を残して、過去最高を更新中。
「ビンテージイヤー。客との幸せなコラボレーションが実現した1年」(東宝・島谷能成常務)と関係者もウハウハだった。映画本編だけでなく、DVDや関連書籍など一体となったヒット作づくりが奏功した。
映画ジャーナリストの大高宏雄氏は邦画界をこう振り返る。
「今年は21年ぶりに邦画の興行収入が洋画を上回る見通しとなり、邦画全体が盛り上がった。中でも東宝は邦画全体の30%弱の興行収入が見込まれていて例年にない独り勝ちといえます」
さて、この勢いを来年に持ち越せるか。2007年度のラインアップをみると、フジテレビ系人気ドラマから、篠原涼子(33)=写真=主演の「アンフェア the movie」、香取慎吾(29)主演の「西遊記」と木村拓哉(34)主演の「HERO」などを次々と映画化。また、手塚治虫の人気コミックを実写化した「どろろ」、黒澤明の名作リメーク「椿三十郎」、さらに昨年35億円の大ヒットで昭和ノスタルジーのブームを巻き起こした「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編など、21作品が控えている。
大高氏は、「来年の邦画界も東宝中心に動くことは間違いない」としながらも、「松竹や独立系の邦画も頑張ってくると思いますから、東宝も今年ほどうまくはいかないでしょう」とも。
ベテラン映画評論家からは、「幅広い知識がないとストーリーに入り込めない洋画の文芸作品が追いやられ、ドラマやマンガが原作の万人好みの分かりやすい作品ばかりが好まれる風潮はいかがなものか」と辛辣な意見も聞かれるが、来年はどんなヒット作が出るのか。
ZAKZAK 2006/12/25